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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第71話 明日の計画

 カフェで、今日は紅茶を頼む。そして、外の山が見える席に座る。


「ねえ、香奈ちゃん」

「なに?」

「わたし話しちゃった」

 鈴美はそう言った。


「あの件のこと?」


 香奈さんが言うと、静かにうなずく。


 その言葉から、理解が追い付く。


「まあ仕方ないよ」

「香奈さんがいじめてたというのもそう言う事なんですか?」

「まあね」


 髪の毛をかき分けながらいう、香奈さん。


「あの時の私はおろかだったから」

「本当にあの時はむかついてたよ」

 鈴美がもう!と言いたげに口に出す。


「でも、嬉しいよ」

「嬉しい?」

「うん。笹原君は、鈴美のその事を知ってもまたそばにいてくれるってことでしょ?」

「それってどういう事?」

 鈴美が首をかしげる。


「あ」


 確かに、鈴美の父親である一さんがそう言う事なのなら、僕に危害が及ぶ可能性があるという事か。


 まだ、鈴美はそのことについて気付いていないようだが。



「大丈夫。僕は大丈夫だから」

「どういう事?」

「鈴美、笹原君に被害が来るかもってことでしょ」

 そこまで行ったところでようやく鈴美の理解が追い付いたのだろうか、


「そう言う事ね」と、鈴美は言った。ようやく理解してくれたという事か。


「ちなみに、言っておくけど僕はそんなことで鈴美の事を嫌いにならないから。それに問題は僕の方が抱えてるし」

「そう言えばそうだったね」


 と、香奈さんがば苦笑しながら言う。


「確かにメンヘラストーカーを抱えてたら、そっちの方が大変か」

「そう言う事です」


 何度聞いてもメンヘラストーカーというワードは面白いんだけどな。


「そう言えばメンヘラストーカーはどこに行ったの?」

「どういうことですか」

「最新情報」

「ああ、突き止めたとか言ってたね」

「それやばくない」

「大丈夫。しばらくは襲ってくる感じはないし」

「あー、なるほど」


 そしてまた笑いながらカフェラテを飲む。


「そう言えばさ」

「どうしたんですか?」

「陽太君ってさ」

「はい」


 香奈さんがにやにやとしている。


「いつまでここにいようと思ってんの?」


 僕にだけ聞こえる声量で言った。


「いつまでですか?」


 その言葉に、香奈さんは静かにうなずく。


「いつまででしょう」


 その答えは出ていない。

 元々は芹原から逃げるためにここにやってきた。

 今の生活は楽しい。

 だけど、鈴美が普段から少し楽しくなさげにしているその姿を見ると、今が正しいのかどうかすらも分からなくなってくる。


「僕は今のまま痛いです。スマホがないのは少し寂しいですけど、鈴美がいたら満足なので」

「そ」


 そして香奈さんは彼方を見る。


 その姿に何が隠されているかは分からなかった。質問の意図も。


 そして、そのまま僕たちは家へと帰る。

 家に帰ると今日もご飯を食べる。

 一さんの秘密を聞いたからってガラッと変わるわけではない。

 僕にとっては、そこはドライに見ているのだ。そうだとしても何も関係がないのだ。



「明日はどうする?」


 鈴美が聞く。

 その言葉に僕はふーと息を吐き、考える。


「難波に行くか、白浜に言っちゃうか」


 つまり海か、難波か。

 難波には色々なお店があるらしい。さらに近くには日本橋という場所があり、そこにはメイドカフェなどもあるという話だ。


 だけど、どちらかと言えば。


「海に行きたい」


 僕がそう言うと、鈴美は「分かった!]と言って笑い、


「私の水着が見たいんだね」と言った。

 その言葉に軽くドキッとしたが、


「水着ならもう見たでしょ」と言った。

 プールの時だ。


「見ましたけど」


 あれは、芹原がいたからいまいち満足は出来なかった。


 だけど、


「鈴美と一緒に、二人きりで生みに行きたい。それに海とプールは違うし」


 僕がそう言うと、鈴美は満足げに頷く。


「確かにそうだね」


 そう言って鈴美は笑い、


「じゃあ、水着見せよっか」


 なんていう。


 そんな鈴美に対して、「なんで……」と、僕が呟くと鈴美は満足そうに笑う。

 その姿は可愛らしかった。



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