第32話 体育祭準備
もめ事が終わったことだ。僕たちも学園生活にせねんすることが出来る。
という事でまず訪れるイベントはそう、体育祭だ。
前に鈴美と話したが、正直苦手だ。
そもそも僕は体を動かすこと自体がそこまで得意ではない。
恥をさらすだけだ。
「鈴美、どうする?」
僕は鈴美に訊く。
「どうするって?」
「どの競技に出るか」
実際目の前には、様々な協議がある。
勿論、運動会みたいに、弾入れとか、そんな生易しい競技ばかりがあるわけではなく、しっかりと目立たねばならないところが多い。
とりあえず僕の候補としては綱引きとかかなと、思っている。
綱引きに関しては完全なるチーム競技だ。
だから、そこまでミスしても目立たない。
だれだれのせいで負けたなんて言わないのだ。
「これとかどう?」
そこには障害物競走があった。
「嫌だよ」
ミスをしたら叩かれそうだ。
「二人三脚でも?」
ああ、なるほど。そういう事か。
二人三脚ならまだやりようはあると思っている。
鈴美と組めれば、だけど。
組めなければ地獄だ。
だが、可能性は高い。何しろ、気の合った人たちの方が、上手く、互いの足が縛られていたとしても、走れるからだ。
「私が思う問題点は、こっちだけどね」
そう、競技大会があるのだ。
競技は男子は、野球だ。女子はバレーボール。
「うん」
僕はそう呟いた。サッカーやバレーボールなどに並んで最悪な競技の一つだ。
何しろ、大事な場面でヘマをするのが嫌だから。
「色々と考えていかないとだめだよね」
「うん」
僕は頷いた。
そして、「じゃあ決めます」と、視界の人が言ったので僕たちはそちらを向く。
そして、話し合いが終わった。
選ばれた競技は借り物競争と障害物競走だ。
あまりなりたくはなかったものだが、縄跳びとの二択になっていたので仕方なく借り物競争にした。
鈴美は綱引きを見事に得ていた。ちくしょう。
「じゃあ行ってくる」
翌週の体育の時間。僕は鈴美にそう言って、更衣室に行く。
僕は、服を脱ぐ。
筋力のない、華奢な体だ。
筋力が少なくて弱そうだから狙われたのかな、と自嘲めいた笑みを浮かべる。
周りに裸体を見せつけるのも恥ずかしいので、さっさと体操着に着替えた。
そして、体育館に出る。今日は合同体育だ。まずは練習をする。
猛組み合わせは決まっている。借り物競争は練習もくそもないから、今回練習するのあh二人三脚だ。
僕と鈴美の足を縛り、そして歩き出す。
数か月前まで、女子とこんなことをするだなんて考えていなかった。
まさかたったのこの時間でこんなことになるなんて全く考えていなかった。
鈴美とは言え、女子と足を繫ぐことになるなんて。
「難しいね」
僕は鈴美に行った。
歩くのが難しい。
少しでもミスをしたらこけてしまいそうだ。
「こけないでね」
早速言われた。
勿論こけるつもりなんざ一切ないが、それでもこけずにいられるとは限らない。
僕の軸足が上手く地面に着地出来ずに、
僕はこけてしまった。
「ひひゃあああ」
鈴美もそう言って、僕の道ずれにこける。
「っもう」
怒ったように鈴美は頬を膨らませる。
そして、立ち上がる。
急に鈴美が立ち上がる物だから僕もまたこけそうになる。
「行くよ、1,2」
そう言って僕たちは互いに左、右、左、と交互に足を動かしていく。幸いながら、二度目はこけずにゴールまでついた。
体育館の端から端までだ。
とは言っても、大変な事には何ら変わりがないのだが。
そして練習する事30分。何とか様になってきた。
これならば、何とかできそうだ。
そして次の体育では、野球をやらされた。
僕的にはこちらの方が嫌だ。
何しろ、目立つから。
僕は別に野球が好きなわけではない。
有名な選手位なら知ってるけど、それだけだ。
他にはほぼ何も知らない。ルールだって曖昧なのだ。
まだサッカーの方がよかったのかなと、唇を細める。
ちなみに鈴美たち女子はバレーボールだ。
そちらも中々大変そうだなと、思う。
そして練習が始まった。
「それでは、好きな人とグループを組んでください」
先生が言った。その瞬間、僕が焦ったのは言うまでもないだろう。
女子も含むなら鈴美がいる。だけど、鈴美がいない今組む相手がいないのだ。
僕は周りをきょろきょろと見渡す。
誰もいない。僕は非常に困った。
このままでははね物になってしまう。
「俺とやろう」
救世主だ。そこにいたのは。井達くんだ。
あれからほとんど話をしていない。
だけど救いだ。ありがたい。
芹原の件について少し聞きたいことがあったという事なのかもしれないけど。
そして、井達くんと一緒にキャッチボールをする。
ボールを投げ、それを井達くんが受け取る。
だけど、問題が。
僕の投げたボールが上手い事届いてくれないのだ。
こうなっては話がおかしくなる。
ボールが届いてくれない事にはどうしようもなくなる。
「ごめん」
僕は何度も謝る。
これでは練習にもならない。
「大丈夫、もう少し前でやろう」
「ありがとう」
僕はお礼を言った。
そのまま、ボールを投げ合う。
段々と僕の投げるボールの威力も段々と上がってきている気がする。
音が上がっているのだ。
「いい感じだな。それで、少し聞いていいか?」
やっぱり来たか。僕は「なんですか?」と訊く。
「いや、芹原さんと君とは何があったんだという事」
「裏切られたって言ってたよね……」
その言葉に井達君は黙って頷く。
「僕は、月曜日に彼女の友達に襲われたんだ。その結果彼女が警察の恐れになって終わった。それだけの話だよ」
僕がそう言うと、
「なるほど」
と、井達君が言う。
「そう言う事なら、訊かなかったほうがよかったのかな」
「ううん」僕は首を振る。「僕の中で飲み込めてない部分もあるし、えっとその。あまり言いふらさないでくれるとありがたいです」
僕は何を言いたいのだろうか。
あまり言葉がまとまっていないけれど、これでいいのだろうか。
「分かった。言わないからもう少し話してくれ」
「いいよ」
そして僕は全ての事を話していく。
ちゃんとこれでいいのだろうか。この説明の仕方でいいのだろうか。
僕の心の中では、ちゃんとはまとまっていないから説明が若干雑になってしまったかもしれない。だけど、井達君は理解したようで、「話してくれてありがとう」と言ってくれた。




