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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第28話 カフェ

 学校に着き、席に座る。

 鈴美の前だ。


 そして、軽く休んでから、早速鈴美が僕の手を引いていく。

 そして、山下さんの元に向かった。


「実は私達、付き合う事になりました」


 そう、周りにも聞こえるくらいのボイスで言った。その声に多くの人が振り返る。

 なるほど。早速既成事実として知れわたらそうとしているのか。


 正直言えば、少し恥ずかしい。いや、少しではない。かなり恥ずかしい。

 でも、これは芹原相手に立ち向かうための作戦なんだ。


 山下さんはj深くは言わずに、


「そうだったんだ、おめでとう」


 と静かに言った。

 たぶん前もってサクラとして、鈴美に何か言われたんだろうな、と思う。


 そしてありがとう、と山下さんに行って、席に戻る。

 周りから特に何かを言われたわけではない。

 しかし、歓迎はされていなさそうだ。


 芹原がじっとこちらを睨んでいる。

 これはやっぱり怒っている。

 暫くは不用意に一人にならない方がよさそうだ。


 と、思ってたら早速便意が来た。僕は鈴美に一言断ってからトイレに向かう。


「来ると思ってた」


 僕はそう呟いた。

 目の前には芹原だ。


「どうしてあたしのものになってくれないの?」


 まただ、またこれだ。そろそろうざくなってきた。

 正直、芹原の事は今憎悪とかよりも可愛そうという気持ちの方が大きい。

 可愛そうは、同情の意味合いとしてじゃなく。

 性格が、という意味だ。


「そう言えば、一つ言っておきたいことがあります」

「なに?」


 言うのは怖い。だけど、言わなきゃ。


「僕にはもうあの写真の脅しは効きません。それだけを言いたくて」

「なんで効かないの?」

「その時は僕は警察に訴えるからです。それに、男の裸なんて需要がありません」

「やっぱり変わっちゃったね。あたしに状順に従うなあなたが好きだったのに」


 そして芹原は僕の肩を掴む。


「カミングアウトしなかったほうが良かったかも。でも、あたしは貴方をずっと追い求めるからよろしく」


 そう言って芹原は笑った。


 結局その日、芹原の新たないじめとかは起きなかった。

 勿論、僕に話しかけたりはしてきたけど。


「平和だなあ」


 僕は呟いた。

 今日が決戦になると思ってたけど、そんな事は全然なく、芹原がやってきてから一番穏やかな日を過ごせた気がする。

 だけど、これがまた嵐の前みたいで怖かったりするのだが。


 そしてその帰り道、僕たちは帰りにカフェに寄った。それも、有名チェーン店だ。


 ここは飲み物が一つ400円はする。だからあまり金銭的に考えていきたくはないのだが、姉ちゃんにも行ってこいだなんて言われているのだ。

 それなのに行かない、なんていう選択肢は僕にはなかった。

 実のところお小遣いも渡されている。


 というか今まで鈴美が払ってきたお金、あれ全部姉ちゃんのお金だったみたいだし。

 まあ、それは置いといて、僕たちは中に入っていく。


「ここに来るのが夢だったの」


 そう、鈴美が言う。


 鈴美はどうやら昔から人付き合いがあまりうまくなかったらしく、あまり友達とそう言う場所には行けていなかったらしい。

 今回は僕と一緒にという事だ。


 僕と鈴美は偽カップルという事になっている。

 だけど、本当のカップルじゃなくても、友達の延長戦としてのカップルにはなれる。

 勿論エッチとかそんなことを今考えるのは、だめだ。

 というか、僕には絶対にできない。


 そして、呪文みたいなメニューを頼んでいく。とりあえず良く分からないので、一番カフェラテっぽい物を頼んだ。

 鈴美はなれない動きで、呪文みたいな絵ニューを頼む。俺が頼んだやつよりも三倍から四倍の長さがある。


「さて、どうしようか」


「どうしようか?」

「うん、芹原さんについて」


 そのことに対しては僕に思うところがある。


「とりあえず芹原の事は無視しないか?」


 僕はそう言った。

 なぜそう思ったか、簡単な話だ。

 芹原に思考を割くのが馬鹿らしくなったのだ。


「芹原がまた何かをやってきたら考えよう。だけど、今は楽しみたいんだ」

「そうなんだ」


 鈴美は言った。


「対策とかはいいの?」

「うん、僕はそれよりも鈴美と一緒に楽しい話をしたい」


 真面目な話をするよりも、冗談を言いあって楽しみたいのだ。


「そう、じゃあ乾杯」


 そう言って鈴美は飲み物の入ったコップを僕に向けて来る。


「乾杯って、こういうのでやる事じゃないと思うけど」


 カフェじゃなくて居酒屋だろう。

 僕自身居酒屋にはほとんど行ったことがないのだが。


「いいじゃん、のもうのもう」


 僕たちは小さな乾杯をし、飲み始めた。


「あ、美味しい」


 いい感じに苦みがある。中毒になりそうな美味しさだ。


「そう、誘ってよかった」


 そうにっこりと笑った後、また飲んでいく。


「うん、楽しいよ」


 僕は明らかに鈴美と一緒にいて楽しいと感じている。


 僕にはそもそも今までほとんど友達らしい友達なんていなかった。

 だけど、今は別だ。


 鈴美がいる。


「僕はさ、友達が今までいなかったんだ。だから、今回が実質始めてくらいなんだ。だから、鈴美といる時間は楽しいよ」


 僕がそう言うと、


「わたしも、友達ほとんどいなかったからね。今陽太君と一緒にいられて嬉しいよ」


 僕たちはそう言って笑った。


「そう言えばそろそろテストだね」


 鈴美が言う。確かに、テストが近づいてきている。中間テストだ。


「だけど、その後は体育祭があるよ」


 僕は言う。


「体育祭ね、あまり好きじゃないよ。だって、運動出来ないし」

「それに関しては僕も同意です」


 運動が出来ない僕にとっても、体育祭なんて地獄でしかない。

 ただ、運動の出来ない姿を周りに見せつけ、羞恥の対象になる。まさにじごくのようないべんとだ。


「文化祭はいいんだけどね」

「それは僕も思うよ」

「さっきから同意しかしないね」

「だって気持ちがわかるんだもん」

「ねえー、陽太君から次は自分から話をし始めて」

「僕が」


 そして、一瞬考え、


「文化祭、鈴美と一緒に回るのが楽しみ」


 僕はそう言って笑う。

 今まで文化祭で誰かと一緒に回るなんて一回もしたことが無かったのだから。


「結局同じことじゃん」

「じゃあ、夏に海に行きたいね」

「え? 私の水着が見たいの?」

「なんでそうなるの」


 僕はエロ目的で言ったわけじゃないのに。

 そもそも僕は女性の水着はあまり見れない。


「ふふ」


 そんな僕に対し、笑顔で鈴美が笑う。それに合わせて僕も笑った。

 今日もまた二人の距離が近づいた気がする。そう思える日だった。

 

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