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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第二十一話 カラオケ

 

 鈴美さんは階段を下りていく僕の後ろをただ歩いていく。

 言いたいことは言えた。だけど、満足はしていない。

 ただ、あそこからまた言い詰めても、僕の気分は良くならない。

 まるで死体撃ちなのだ。

 これならまだ、あたしは悪くないスタンスでいて欲しい物だ。


 僕の平穏な学校生活はギリギリ守られたかもしれない。

 いじめられないのだから。だけど、僕の気分は全く晴れる様子がない。


 どちらにしろ、こんな気持ちじゃ、授業なんか出れない。


「ごめん、トイレによってもいい?」


 鈴美さんにそう告げた。

 勿論、目的はトイレではない。


「いいよ」


 許可を貰い、僕は走っていく。向かう先は勿論職員室だ。

 早退届を出しに来たのだ。


「ごめんなさい。早退します」


 僕は担任の先生に告げた。理由は一応体調がよくないという事にしてある。


「おう、それはいいが、朝はどうしたんだ?」

「知り合いがいて動転したので……」

「動転という感じではなかったように思ったが」


 先生、それ以上追求しないで欲しい。


「まあ、そこはいいか。ただ、もうあんなことにならないでくれよ」


 そう言って先生は僕の肩をトントンと叩く。

 僕は、「はい」と言って学校から出た。


 鈴美さんには何も伝えていない。

 というのも鈴美さんに早退すると言ったら、彼女もついて来ようとするだろう。

 そこは問題がある。何しろ、そこまで付き合ってもらう必要はないのだから。



 さて、ここから僕はどうしたらいいだろうか。


 このまま家に帰る?

 いや、それは僕的にはあまり良くない。いつもよりも早い時間に家に帰り姉ちゃんに会うのも気まずい。

 僕は財布の中を見る。

 よし、ぎりぎり足りそうだ。


 僕はカラオケに向かった。



「さあ、歌うぞ」


 僕はカラオケの前で、歌を歌う。


 僕は正直あまりカラオケに行ったことはない。行く機会自体がほとんどないのだ。

 お金もかかるし、歌を歌うだけなら家でもできる。

 勿論大熱唱までは出来ないが、歌を楽しむには十分なのだ。



 もう何曲歌っただろうか。もうのどもカラカラになって来た

 今日入れたのはフリータイム。何時間でも歌っていい物だ。


 そんな中僕はひたすらに歌を歌いまくった。

 喉に気を遣うなんて、しない。今日喉がつぶれて、明日以降ガラガラになってもいいやという気持ちだ。


 だが、いくらでも歌っていいとは言うが、流石にのどが疲れては歌うことが出来ない。

 水を沢山飲んでも、それは焼け石に水だった。

 声も思うように出なくなってきていた。


 そしてスマホをいじる。


「あ」


 歌うのに夢中で気が付いていなかったが、いつの間にか鈴美さんからメールが届いていた。


(いまどこにいるの? 大丈夫?)

 と。


 僕は一応黙ってカラオケに出かけている。


 だけど、このニュアンスこれは責めているのではなく、心配してくれているのだろう。

 今は二時半。まだ学校が終わる時間ではない。

 それどころか、まだまだ授業中だろう。

 今返信しても、彼女は授業終わりまで気づかない。気づくことが出来ない。

 だが、一言だけ返信しておこう。



(ストレス発散のため、カラオケに居ます。心配はしないでください)


 これでいいか。


 メールを送ったら、またストレスが湧いてきた。


 正直いまだに芹原の言った意味が全くと言っていいほどわかっていない。

 彼女の理屈だと、僕をいじめることを強要されたが、僕のことは愛していた。


 これだと、責任を別に押し付けている気がする。それが本当だったとしても、僕への愛よりも、自分の保身を選んだという事実は決して変わることがないと思う。


 やはり、僕には彼女を許すことはできない。

 むしろ、それで僕が許したら虫のいい話過ぎる。


 木村さんを許すという選択をした鈴美さんとは違うのだ。


(ね、私もそっち行っていい?)


 スマホに通知が来た。

 鈴美さんだ。

 あれ、まだ授業中なんじゃ。


(授業が終わったらか?)

(そうそう)

(ちゃんと授業は聞いとけよ)

(大丈夫。私はこう見えても賢いので)


 そう言う問題か?


(てかそもそも、陽太君も早退したじゃん)


 いや、ちゃんと授業を聞いてくれよ。

 僕にそう突っ込む体力は残っていない。

 とりあえず、僕はスマホをマナーモードにして電源ボタンを押してスヌーズ状態にした。


 さて、早速歌を歌うか。

 なんだか、カラオケで喉が疲れたと言って、歌を歌わないのもあれだ。もう少し歌いたいのだ。



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