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壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優


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第13話  名物カップル(過去)


 そしてその日から段々と僕たちはクラスの名物カップルになっていった。

 つまるところ仲良くなって行ったのだ。

 それこそ学校でイチャイチャをするようになっていった。


 それは学内学外を問わずだ。正直楽しい。

 何しろ、彼女がいる生活とは、まさに色がついた生活だ。


 今までの人生が何だったのかと思うくらい、生活が変わっていった。

 今まで陰キャだったのが嘘みたいに陽キャグループに交われるようになった。

 それに特に、学校内で、一人で寝たふりをしていた昼休みが、楽しい時間に変わった。



 ある日、トイレに向かうと、隣にいた男子が「よっ!」と話しかけて来た。

 彼の名前は確か、徳光和樹だ。


「あの芹原えなさんと付き合ってるんだっけ」

「ああ」


 僕は首肯する。



「本当に羨ましいよ。全男子が狙ってるって噂だぜ。どうやって落としたんだよ」

「それは……」


 そう唐突に言われ、僕は返答に詰まる。

 僕にも分からない。


 彼女は前から僕のことを気になってて、勢い告白したと言っていた。

 でもまあ、大雑把には理由は聞いたけど、全部抽象的なんだよな。


 まあ、どんな理由にしろ、僕が彼女と一緒に入れること自体が奇跡みたいなものなのだ。


 それに僕自身もえななんには以前よりも好意を持っている。

 付き合い始めてから、彼女の内面の良さも見えてきた。

 何よりも明るいし、笑顔を絶やさない。


 そのほかにも、気遣い上手だったり、僕が髪を切ったことにも気づいてくれたりとか、様々な優しい部分があるのだ。


「でも、僕はえななんのことが好きだよ。落としたとかじゃなくて、元々両想いだっただけ」

「そうか」


 納得してくれたのか?



「まあ、頑張れよ!」


 そう言われ僕は「うん!」と返した。

 えななんの友達とは会話する機会は増えていたが、同性とは高校に上がってほぼ初めての会話だ。

 僕は内気な人間だからだ。

 でも、僕はうれしかった。


 こんな些細な会話だけど、僕は人とちゃんと喋れた。

 内容はえななん関係ではあるけども。



 そしてトイレから帰ってきたら瞬間、えななんが僕の胸に抱き着いてきた。


「わーん。ずっとトイレに行ってたから、あたし喋りかけられなかったよー、寂しかったよー」


 そう言って彼氏である僕の胸に飛び込んできた。

 僕はそんな彼女の頭を優しく撫でる。


「ねえ、私と一緒に居ようよ。寂しくなってきたもん」

「そりゃそうだよな。すまんな、ないがしろにしたみたいで」


 いや、僕はただトイレに行っていただけなんだけど。


「ううん、謝ってくれたらいいよ。大好きだから」

「ああ、俺も」


 そう言ったら、周りからふーふーと、煽るような声が飛んでくる。


「そこうるさい」


 そう、えななんの鋭いツッコミが入ると、周りの人たちは「すまん」と、皆それぞれいっつた。なんだか心地がいい。


「じゃあ、陽君。邪魔が入らないように、屋上行こ?」

「そうだな」


 僕の学校の屋上は立ち入り禁止に放っていない。

 先生の許可が必要だが、他に必要なのはそれだけだ。

 屋上はそこまで利用率が高くない。先生にわざわざ許可を取らないといけないのが面倒臭いと思う生徒が多いのだ。


「じゃあ早速二人きりの時間を満喫しよーよ」

「だな。僕たちが二人きりになれる時間なんて、このくらいだもんね」

「えへへ、そうだよね。ねー陽君。風が気持ちいいよね」

「ああ、そうだな」

「あたしね、この上から飛び降りたいって思ったことがあるんだ」


 急な話だ。


「あたしは昔は友達がいなかったからね。でも、生きててよかったなって思ったよ」

「そりゃ、死んでいいことなんて無いしな」

「あ! それ自殺志願者へのヘイトスピーチ」

「そんなこと言うなよ」

「それよりさ」


 そう言ってえななんは僕の手を引っ張る。


「この景色良いよね」


 そこから見渡されるのは、町一面の景色だ。全部が彩られており、絶景だ。


「陽君の家はどれかな?」

「そうだなあ、僕の家は」


 そう言って探す。沢山家が会って、どれが自分の家か分からない。


「えへへー、あたしには分かるよ」


 そう言ったえななんは、一つの家を指さした。


「それでしょー」

「よくわかったな」

「家に来たことあるからね」


 笑顔で初情報を知らされた。


 僕が固まっていると、


「実はね、ちょっとつけてたんだ」

「そうなんだ」

「ごめんね。行けないことだっていう事は分かってるんだけど」

「別に構わないよ」


 それで変な事をされたわけじゃないし。


「そ。なら良かった」


 そう言ったえななんは僕の頬に手を当てる。


「なんだよ」

「ふふ、あたしがこうしたかっただけ。……ねえ、陽君。本当にあたしは昔からこういう性格だった訳じゃないよ。ただ、ね、陽君があたしを変えてくれたんだよ」

「そんな記憶はないんだが」

「それも当たり前でしょ。だって、陽君は何もしてないから」

「ならなんで!?」

「陽君はねえ、知らない間にあたしの心の支えになってたのよ」

「そ、そうなのか」


 全く持って分からないが、そう言う事なのかと、心の中でひそかに納得した。


 そんなのこのえななんの顔を見たらわかるじゃねえか。

 この顔はきっと嘘をついていないのだろう。僕にはそう理解できる。


 そして、僕はえななんの手を握った。


「僕は何があってもえななんの味方だよ」

「そ、ありがと」


 そう、簡単にお礼を告げた後、


「そう言えば、今度の土日、っていうか、日曜日だけどさ」

「う、うん」

「遊園地行かない?」



 その提案に、思わず僕は胸が震えた。

 えななんとの遊園地なんて楽しくないわけがないのだから。





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