表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
壮大な嘘告白をされ人間不信になった僕、後ろの席の女の子が付きまとってくるようになる  作者: 有原優
第七章 文化祭

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/101

第101話 風呂


 どうしよう。どきどきする。海で一緒に泳ぐこと、とは全然違う。

 しかもここがホテルだから、雰囲気的にもそんな感じがする。


「鈴美」


 僕は鈴美の顔を見る。


 正直顔を見るのでちょうどいい。首より下を見てしまったら、緊張してしまうのだ。


「なに?」


 鈴美のその言葉に、僕は「いや」と言った。


「なによ」

「違うんだ」

「違うって何が?」

「緊張するねって言いたかっただけ」




 僕がそう言うと、彼女は笑って、「そっか」と言った。


「でも」鈴美は僕の肩を掴む。「今日はそういう日じゃないから」


「分かってる」


 別にここに来たからって、エッチな事をしなければならないわけではない。

 勿論、これ自体がエッチな事なのかもしれないけれど。


「陽太君」


 鈴美は笑う。


「楽しいね」


 その言葉には僕は頷いた。

 その後は特にイベントが起きることも無く、お風呂を上がった。

 鈴美は洗面所で、僕はお風呂の中で体をふいた。


 ドキドキが止まらない。鈴美の素肌をタオル越しとは言え、見てしまったのだ。

 水着じゃない。あの時も緊張して、頬が熱くなったが、今日はもっとだ。

 タオル姿はそれほどに爆発力があったのだ。


 はあ、


 僕はふるふると髪の毛を揺らし、髪の毛を吹いた。

 その後一時間ほど鈴美と一緒に寝た。

 勿論、おかしなことは何も起きず、一緒に手をつないだまま寝ただけだった。

 その後は僕たちは静かにチェックアウトをした。


 これにお金が生じたことを鈴美からきいて、お金を払おうと思ったが、それは鈴美に拒否された。


「私がしたくてしたことだから」


 と、言われて。


 だけど、僕がごり押しでお金を渡し、無事に鈴美に受け取ってもらえた。

 安心だ。


「はあ、トラブル続きの楽しい一日だったね」


 駅に着くころに、鈴美は総言った。


「うん、そうだね」


 僕は返す。


「色々ごめんね」

「結局楽しかったからいいじゃん。雷は怖かったけどね」

「ごめん」

「でも、ホテルで休んでる間に雷雨は収まったからいいけど」

「そうだね」


 まだ、ぽつぽつと雨は降っているが、傘さえさせば十全に防げる範囲だ。


「ナイスデートだったと思うよ」


 鈴美はそう言って指をグッドの形にする。


 その笑顔を見て、僕は安心した。

 その笑顔は到底、作り物には見えなかったから。


 そして、駅で解散となった。正直まだ別れたくはなかった。

 だけど、学校でまた会える。そう思えば、我慢くらいは出来る物だった。


「鈴美、大好きだよ」


 僕は鈴美に対して笑顔でそう言った。





 その帰り道の駅で事態は起きた。

 芹原が電車にいたのだ。


 芹原は僕に気づいているようには見えなかった。


 僕は芹原に気づいていいないふりをした。

 そして気づかれない様にと祈りながら、電車を降りた。


 芹原は最後まで僕に気づかなかった。

 僕には結局まだ、芹原と2人きりで対話する精神はないのだ。


 結局僕は苦手なのだ。



 ★


 私の心臓はまだバクバクとしていた。

 私、なんであんな大胆な事をしちゃったんだろう。

 正直まだ心臓が痛い。


 一緒にお風呂に入るなんて、


 正直、平常を保つのがやっとだった。

 私は、緊張してた。


 それに、足も互いに延ばして軽く当たってたし。

 陽太君の顔が赤くなっていたけれど、私も赤くなっていた。


 今日はそういう日じゃないから、とは言ったけれど、あれは私の緊張をほどく意味だった。

 だって、そう思わないと、色々と男女のあれこれを考えちゃうし……



 陽太君は自分の事に夢中で気づいてなかったと思うけれど。

 家に帰って、リビングに一人、作り置きのパスタを食べながらそんな事を思い返す。


 それに……ラブホテルに連れて行かずに頑張って私の家に連れてきても良かったよね。


 はあ……


 今日、暴走しちゃったな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ