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主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?  作者: 玉響なつめ
第七章 王女襲来、それが何。

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連載再開です!

 ここで一旦おさらいしよう。


 私、セレンはノクス公爵家の長男、シリウス・フェローチェス・ノクスの恋人である。

 いやもう婚約者だけど。


 ノクス公爵家はミラベスタ王国の北方に位置し、山から来る強大な魔獣などを退治する役割を担っているため強権を持つが基本静観する構え。


 そんなノクス公爵家においてシリウスの立場はとても微妙なもの……だった(・・・)


「……シリウス、王女様と結婚したらノクス公爵家継げるぞとかそういう話されてるんじゃない?」


「親戚筋とかにいたな。全て義父上に伝えたが」


「わぁお、粛清待ったなし」


 そう、シリウスは現当主であるノクス公爵様にとっては実の甥である。

 長子相続制のこの国で、長女アナベルが一歳の誕生日の際に誘拐されて以降行方知れずで次の子を授からなかった公爵夫妻が、弟夫婦から養子に迎えた、それがシリウス。


 ところがシリウスが養子になった後に公爵夫妻には長男のレオナールが生まれ、加えて長女アナベルが見つかったことでシリウスはお役御免になってしまったってわけだ。


 でもまあ、アナベルはこの国の第二王子であるサフィアン様と恋仲になって、彼を婿に迎えるってことになったからみんな概ね大満足である。


(……そうだよね、私がいてシリウスも実らぬ恋に身も心も焦がすことはなくなったわけだし)


 代わりにヤンデレになったけど。

 これは想定外だけど。


 転生者である私が、前世で読んだ小説と同じ設定の世界でアナベルは〝主人公〟だった。

 彼女の成功と恋愛模様を楽しむ物語だったけど、隣国だのなんだのって繋がりは出てこなかったし、何よりシリウスは義妹を愛してしまったけど王子であるサフィアン様に忠誠も誓っているし、二人の幸せを傍らで見守るよ……ってキャラだったはずなんだけどなあ。


(それがなんで死亡のお知らせを一行で済まされちゃう端役にヤンデレちゃったかねえ……)


 しかも隣国のお姫様に求愛されているとか、そういう修羅場がきそうな展開、止めてほしいんですけどー?

 ただでさえ監禁から軟禁に生活がレベルアップできたところで厄介なことしないでほしいわ。


 シリウスが心配のあまり(・・・・・・)私をどこかに監禁して守ろうとか言い出したらどうしてくれるんだ。

 まあ言わせねえけどな!!


 おっと、口が悪くなった。反省反省。


 で、だ。

 問題に戻ろう。


 隣国であるアクイラ王国は、隣国と行っても海を挟んで向こうの国だ。

 うちの国とはもう長年の付き合いで、交易も盛ん。

 ノクス公爵領とは別の北の港で行き来が行われている。


 同じ北方っつってもノクス公爵領は危険地帯だからね!

 なんでかはまだ解明されていないけど、ノクス公爵領側は巨大な魔獣が育ちやすいからさ……美味しくいただいているけれども。


(昨日の巨大猪のステーキ美味しかったなあ……)


 またシリウスに狩ってきてもらわないとね!

 おっとまた気が逸れてしまった。


 とにかく、アクイラ王国とは国交があるから定期的にやりとりがあって、使者なんかも来ちゃったりする中で今回は王女様が来るってワケ。


「どう考えてもさっきの話の流れだと、シリウス狙いでしょ」


「違いないな」

 私の言葉にサフィアン様が頷いた。

 レオナール公子はもうオヒメサマから話を聞いて、シリウスと相思相愛だと思い込んでいたから顔色が悪いけども。


 実際は尊敬するおにいさま(・・・・・)は元暗殺者の平民を捕獲して監禁して愛でちゃうヤンデレになっちゃったんだけどね!

 どうやらそうしたのは私らしいので、なんかごめんね!!

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