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第一糸 名も無き少女の【糸】

「……殺すなら早くして。」

私は今スリをしようとして男に捕まり危ない目に合っている。ん?名前……?そんなの無い

「お前みてぇな子供は滅多に見ねぇからなぁ〜……普通ならやめて殺さないでって言うんだが、」

「何が言いたいの?」「……お前がどこまでの恐怖に耐えれるか試してみよっかな〜?」

この男はどこかのチンピラ、どうやらこの辺り一帯のボスのようだ。私はここで死んでもいいが、私の友達に迷惑をかけたくない。

「はやく寄越しなさい。白依が死んじゃったらどうしてくれるの」「白……何?お前の可愛い友達か?ハッ、お前でも友達は居るんだな?」

こいつは腹が立つ、今にでも殺してしまいそうだ。

私はお母さんとお父さんが物心付く前に死んで、名前だって貰っていない。そんな時私に話しかけてくれたのが白依(しらより)だ。あの子を馬鹿にするのなら私はあいつを殺す。

「その白なんとかって奴、よほどアホな、」「黙れ!」私は奴の喉元へ飛び込み、持っていたガラス片で首を掻っ切った。「白依を馬鹿にするな!あの子は!私の大切な人だ!二度と!喋るな!」

何度も首にガラス片を突き刺した私の手と服は奴の返り血が大量に付いていた。

「はぁ、疲れた、あそこの洞窟で少し休もう……」

数ヶ月前にいつの間にかできてた洞窟の中に入り休憩する事にする。――


 ――洞窟へ入ったが、黒と白の糸が張り巡らされている。変な洞窟だ。「ふぅ……白依には迷惑かけるなぁ、」「お主、何者だ?」誰かが洞窟の奥に居る。「!?……貴方こそ、誰?」「名を名乗れ」「……私に名前なんて無い」まず名前を名乗らないなんて無礼なお爺さんだ。「ワシの弟子になってみないか?」「弟子……?」随分とかっこつけだお爺さんだが、何も分からない以上警戒するしかない。「それって何なの?」「ワシは【絡繰(からくり)】のトップだ」絡繰……?あの有名な……所か「……条件による」

「条件、か……条件などない。今からお主は選べ。」「選ぶ?」どうせ何か変な物だろう。読者の皆に問いたい。この作者は何を考えてこんなに展開を早くしたのだろうか。

私みたいな子供に術を継がせるなんて馬鹿なお爺さんだ。仮に本物だとしても私なんかが習得できるのだろうか?「今死ぬか、来たるべき時に死ぬか」

「……いつか死ぬ。」「よろしい。ではこの糸を取るんだ」すると洞窟の中に張り巡らされていた黒い糸の1つが私の目の前へ垂れる。私は何の躊躇も無くその糸を取る。しかし何故私はこの時糸を取れたのだろうか……「いいだろう。」――


 ――私はお爺さんに連れられここからとても遠い場所へたどり着いた。「……ここは?」「【絡繰】の基地みたいな場所じゃ」

白依が心配だ。あの子が待っているから早めに帰ってご飯を持っていきたい。「では、お主は今日から縫坂ぬいざかツグリと名乗るがいい。」

「縫坂、ツグリ?」

「【絡繰】はワシが作った組織なんじゃが、ワシの家系である縫坂家に継いでもらいたいと思っている。そこでお主に縫坂家となり、ワシの術と【絡繰】を継いで欲しい」「はぁ……?」「お主は縫坂の血を引いてはいないが、意志を繋げる事はできる」

「……何言ってるの?」「と……とりあえず、お主は縫坂ツグリだ。いかん、ついかっこつけてもうた……」

名前が無い以上、名前を貰えるならいいとしよう。

「……分かった、いいわ」

白依には本当、迷惑をかけるなぁ……早く帰って何か食べさせないと白依が危ない「もう帰っていい?友達が待ってるの」「その子の事は……お主と一緒に連れて行くつもりだったのだが、居なくての……」――


 ――私はお爺さんの事を突き放して孤児院へ向かって走る。「はぁ、はぁ、遠いけど、白依の、ため……」「お主、大丈夫か?」「うるさい……なんで、並走してきてるのよ、気持ち悪い!」

この人はお爺さんのくせに体力が有り余っており、私と並走している。流石術の持ち主と言った所だ……

「着いた……白依、本当に、居ない……の?」いつもなら今にも崩れそうな孤児院の前で白依が待っているはずだが、このお爺さんが言ってた事は本当なのか?「……白依をどこにやったの?」「ワシにも分からん」それじゃあどこに行ったのか、まさか自分でスリをしに……「白依が居ないのなら居る意味は無いわ」「……戻るか?」「うん」――


 ――「では、ワシの術である霊糸れいしについて話そうではないか」「霊糸、?」「裁縫は知っているだろ?」裁縫は好きだ。よく白依に服やハンカチを縫ってあげていた。「えぇ、好きよ」

「ならば話は早い。霊糸は糸を使い切ったり、結んだりできる便利な道具だ。」

お爺さんと館へ歩きながら術の事について話している。「もうすぐ着くし、せっかくだ。ワシといっちょ戦ってみようじゃないか、ほれ、向かってこい」「いいの?死ぬよ?」このお爺さんがいくら強かったとしても私だってどれくらい逃げたか、どれくらい人を殺めたか分からない。たとえ最強だろうと少しくらいは戦えるはず。「とりゃ!」走ってお爺さんをぶん殴りに行く。しかし無駄だったようだ。「若者は元気だな……」

私の手足が糸のような物で捕まる。「……これが霊糸ってやつ?」「そうだ」「普通はこの糸で四肢を切断する事もできるのだが、子供相手はな」

その糸は解け私は自由になり、お爺さんに問う「そういえば、お爺さんの名前って何?」「縫坂 巌玄げんげん」「……変な名前ね」「誇り高き縫坂家の生き残りだよ」もしかしてこの人、私をその縫坂家の後継ぎにしようとしてる?

「……はぁ、分かった。じゃあ教えてくれない?」

「よかろう。」――


 ――翌日から私はその霊糸とやらを操る練習をする事にした。そして私は正式に絡繰の一員になったのだが、着物?が動きにくいし、ただの糸のように見える。引っ張ってみたり指に絡めてみたり、色々したが何も起こらない。「うーん……これ、ただの糸じゃないの?」「違う、これは鋼鉄よりも固い特別な糸だ。霊糸は霊糸の使い手しか切る事はできない。」「さっき千切れたよ?」「……ならツグリ、お主は霊糸の使い手としての才能があるようだな」巌玄さんが言うにはできるらしい。しかし、分からない。「も〜、分かんない」「だから分かるまでやるんだろ?」やれと言われてもできないのが現実だ。

私だってやりたくなくてやってない訳じゃない。

「やり方を教えなさいよ……」「まずは糸を視ろ」「見てるじゃない」「お主は視えてないんだ。よーく力を込めながらよーく視てみろ」力を込めながら、見る……「あっ!」糸が張った

そう、何もしていないのに空中でだ。2mくらいの糸がピンと張りすごく長い。

「誰だ?その女の子、爺さんまた絡繰に引き込んだのか?」私と同年代くらいの男の子が館の玄関から出てくる。「新しい糸の子だ。」「やっと糸見つかったのか、長かったな〜!」「あなたは誰なの?」「俺?俺は鬼切おにきり 獅子しし。鬼切って呼んでもいいぞ?」剣を担いだ黒めの灰髪の気が強そうな人だ。私はこの人とは友達にはなれなさそうね。それでも、私がこの霊糸とやらを扱えるようになったんだ。まだ不器用ではあるがこれでいいだろう。私は白依を攫った犯人をぶっ殺して、白依を助け出してやる――

こんにちは

白依が見つかろうがいつまでもこれは続けます

いつ終わるかは分かりません

1話につき何日かかるか分かりません

レビューとか星5とか、お願いね!

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