表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
をぐらのさうし 巻之弐十伍  作者: 小椋夏己
2025年  1月
42/584

仮設住宅があった

 明日で阪神・淡路大震災から30年ということで、色々な番組をやっています。


 その中で当時の仮設住宅に関係したことをやっているのを見て、


「そういえばうちの近くにもあったな」


 と、思い出しました。


 実家の前にはかなり大きなため池があります。この冬はカイツブリでしょうか、ものすごくたくさんいて、今まで見たことがないような集団で気持ちよさそうに泳いでいます。

 少し前にはなんだろう、大きな鳥が水面に舞い降りると共に大きな魚を両足で掴んで飛び上がり、まるで動物の番組を見てるみたいでした。

 今年は見かけませんが多い年には1ダースものコウノトリが来ていたこともありますし、とにかく大きい池です。端から端まで1ブロックほどある大きさなんです。


 実家の前には県道が通っていて歩道の向こうがすぐに池なんですが、その反対側、もっと大きな県道の少し北では道から池までの間が住宅街になっています。そのあたりにあった空き地に仮設住宅がたくさん並んで建ってました。今は通れなくなったんですが、以前は池の土手を歩いて向こう側まで行けたので、歩くと10分ほどで行ける場所になります。


 当時、朝早くて私は起きられないので参加してませんでしたが(情けないやつ)、母と妹が朝早くから散歩でそのあたりまで歩いていて、そしてこんなことを教えてくれました。


「仮設の一軒の前にミニチュアをたくさん並べている家がある」


 私は歩いてではなくバイクや車でその仮設のあたりを通ることがあり、


「なるほどこれか」

 

 と、感心しながら見たことがあります。

 

 母と妹がその家の方と話をしたか何かで、


「少しでもみなさんが楽しくなればいいと思って」


 と、おっしゃってたそうです。


 かなり長い間仮設住宅はあったんですが、何年かしたらきれいに全部なくなって、今は新しい家が建ってます。前は通りがかった時に思い出すこともあったんですが、今回テレビを見るまでそんなこと、すっかり忘れてました。

 

 あそこに住んでいらっしゃった方たちは元の場所に戻ることができたんでしょうか、それとも新天地に移られたんだろうか。テレビを見ながらそんなことを考えてました。


 本当に人というのは身勝手なもので、自分の身に起こったことでないとすぐに忘れてしまいます。そしてその忘れる力があるからこそ、前に進めるのかも知れないとも思います。


 あそこに住んでた方たちだけではなく、一度は自分の場所をなくした方々が、今の場所が自分の場所になって前を向いて歩いていらっしゃるようにと祈らずにはおられません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ