赤いマフラーの歌に異議あり・その3
さて、なんだかんだといちゃもんをつけてきた赤いマフラーの歌ですが、あまり文句を言い過ぎてもなんなので、今回で締めくくりたいと思います。
その前にまずミニ知識でもないんですが、いくつか疑問に思われるだろう方に解答になるかもと、こんなことを書き足しておきます。
「なんで太郎は花子をそんなに待たせるぐらいお風呂が長かったのか」
これについてはまずこの歌ができた当時の背景が関係あるかと思います。この歌が発表された1973年、男性が髪が長かった可能性があるんです。この少し前からヒッピー文化なんてものが流行り、大学紛争だのなんだののあった時代、長い髪の男性も多かった。だから洗うのに時間がかかったんじゃないかという説がまず一つ。
それからこれは、この歌詞を書いた方がどこかで書いていたらしいんですが、なんとこの男性というかここでは太郎、
「銭湯の水槽にいる金魚だかカメだかを見ていたから」
というのが真実らしいです。なんだってー!
いやいや、だったとしたらふざけてますよね、彼女を待たせて凍えさせてまでそんなもん見る必要があるのか? 見るなら見るで「見たいから時間かかるよ」ぐらい言ってやれよという話です。
思わぬ真実が出てきましたが、これ、本当らしいですよ。やれやれですね。
そして、
「あなたの優しさが怖かった」
という部分なんですが、どうもここだけは男性の気持ちを歌っているという説もありました。
つまり、
「そんなに凍えてまで自分を待っていてくれる健気な花子、どうしてそんなに尽くしてくれるんだい、僕は怖いぐらいだよ」
みたいな感じですか。
ざ・け・ん・な、と言いたいですが、やはりこれも作詞者がそうだったと言ってらっしゃるようです。
と、ここまで書いて一段落つけ、私が個人的に突っ込みたくなる2番の歌詞について書いて〆ましょう。
2番は太郎が花子に絵を描いてあげる話なんですが、マフラーも買えずに赤いてぬぐい使ってるような貧乏カップルなのに、わざわざ24色のクレパスを買って花子を描いてあげる太郎。ここだけ見ると優しいようですが次が問題。
「いつもちっとも似てないの」
なんでじゃー! そこまでするぐらいやったら絵がうまいんちゃうんかい! 下手なんかい!
しかもその絵を見てる花子の手を握って太郎はこう言います。
「悲しいかい?」
悲しいわ! 二人が住んでるのは三畳一間の小さな下宿、そんだけ貧乏なのにそんな高いクレパス買うぐらいなら、お風呂帰りに寒かっただろうって花子にラーメンの一杯でも食べさせたれ! と思います。今だったら100均でも売ってるだろうけど、当時は高かったと思いますよクレパス。
結果的にこの二人は破局したと思うんですが、どうでしょう? だってこれだけ我慢して我慢した花子に対して太郎は、
「あなたの優しさが怖かった」
って、どこまで身勝手なのかと呆れるほど。こんなこと言われて、花子は一体どうするのが正解だったのだろうと思います。
まあねえ、時代なんでしょう。そういうことを求める男と女、どっちも案外それで満足してたのかも。ただ、私にはそういう心情があまり理解できないもので、なんでやねんとツッコミどころ満載の歌だというだけで、今でもたくさんの方に愛され続けている歌なのは間違いがありません。
この歌を大好きな方々に、大変失礼いたしましたと一言お詫びを申しまして、赤いマフラーの歌についての物申すを終わろうと思います。どうもありがとうございました。




