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プロローグ

 この世界は、理不尽で満ちている。

 理由もなく怒られる。頭の良し悪しなんて生まれつき決まっている。容姿も、性格も、メンタルの弱さも、性別も、ずる賢さも、全て、理不尽に振り分けられる。

 人生の選択も、友達も。

 それは全て、変えられない運命。理不尽な運命なのだ。

 おれは、そう信じている。

 だから、おれは、立ち向かわない。

 立ち向かったところで、何かが変わるはずがない。

 それは、他の奴らだって同じだ。

 でも。

 それを。

 変えようとする奴が、いる。

 近くに、いる。

 変わるはずが、ないのに。

 でも。

 もし、そいつが。

 もし、そいつが、それを。

 変えることができるのなら。

 自分の力だけで、理不尽に立ち向かえることができたのならば。

 そこには一体、どんな未来が、待っているのだろうか。

 そんなこと、考えたく、ない。

 おれは、今になって、そう、思ってしまった。



「旅立ちの日に」は、この中学校で過ごした日々を思い出させる。3年間、色々なことがあった。別れの寂しさに泣いている人たちもちらほらいる。

 3時間後。プリント類が配られ終えた後、級長が先生に花束と寄せ書きを渡す。

「ありがとう。本当にありがとう。君たちと過ごした3年間は、とくに担任だった一年間は本当に素晴らしいものでした」

 先生の話を遮るように、校内放送が入る。

「それでは、3年5組の皆さん、昇降口に向かってください。」

 おれ達は教室を出て、窓から光が差し込む、今まで何度も見てきたけれど、そんな日々の中でも一番幻想的な廊下を、今日で最後の廊下を、歩く。

 隣を歩く隆斗は、おれに告げた。

「なあ、俊太、おれ……」

 その目からは一筋の涙が流れ……。

 昇降口を出た。長い花道と、青く透き通った空が、おれ達をこれから広がる未来へと連れて行ってくれる。


恐れ入りますが、


・ブックマーク

・下段の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


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