セシリアサイド トラブル発生?
携帯の天気予報って結構正確なんだ。
セシリアサイド
「あの、入学まで後半年もあるのですがセレナさんは大丈夫なのですか?」
私服に着替えたセレナが首を傾げながらアリスを見た。
「セレナなのに可愛いって……。彼女は大丈夫よ。それに仮説だけど時間は大丈夫な気がするの」
アリスが頭を抱えた後、自信ありげにニコッと笑ったが一瞬でスゥッと表情が消えた。
「セレナ、てめぇ何しやがった」
同じ制服を着た、軽薄そうな青年が顔を真っ赤にして校内から走ってくるのが見えた。
「何方でしょうか?」
「羽山進。昨日までセレナの婚約者だった奴」
嫌そうに答えるアリスを見てから、セシリアはセレナの記憶を辿ってみた。
様々な記憶の中に今走ってくる青年が何人もの女性と抱き合っている物があり、セシリアはふぅ、とため息を吐いた。
「お久しぶりです、羽山様」
「お久しぶりとか気取ってんじゃねーよ。てめぇ何しやがった」
真っ赤な顔をして怒鳴っているが、よく見れば頬は殴られたのか腫れている。
「何もしておりません。羽山様の近況を父に報告しただけです」
セレナの記憶に残るものはそれだけだ。
「てめぇが余計な事すっから」
「余計な事?羽山様はわたくしに何をさせたかったのです?浮気を黙認し、不正な資金を用意しろ、と?」
セシリアは淡々と言っているが、その場にいたもの達はギョッとしている。
日頃のセレナは、もっと苛烈な言葉で相手を怒らせていた。
「ご自分に都合の良いお相手がお望みなら、わたくしなどに構わず婚約を白紙に戻すべきでは無いでしょうか?」
セシリアの言葉に羽山は反論が出来ない。
「出来るわけねーだろ」
「何故です?」
首を傾げながら本気で不思議そうな顔のセシリアに羽山は拳を振り上げた。
「てめぇは俺の言う事を聞いてりゃいいんだ」
「えっ嫌です。お慕いした事もない方に従うなんて」
アリスがセシリアを守る様に一歩前に出る。
「セレナのくせに、生意気言うんじゃねー」
セシリアを殴ろうとした途端、前に出ていたアリスが羽山の腕を掴み、見事な膝蹴りを羽山の腹に食い込ませた。
後30分で雨が降る、とあったから急いで洗濯物取り込んだら直後に雨。
一分もしないで止んだけどね。