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セレナサイド アリアンナの作。
雨は何処に行ったのでしょう?
セレナサイド
「絶対嫌だから」
「あら?マーカス殿下を完全にシナリオから外すのはこれが一番ですのよ」
セレナはアリアンナが悪魔に見えた。
「大切なセシリアたんの涙をあんな奴に見せるなんて、絶対嫌だから」
「わたくしも嫌ですわ。ですが、演技だと思えば良いのです。決定的なことなど何ひとつ言わずに」
アリアンナの策は、実はセシリアはマーカスを想っているが、王命でシルヴァンと婚約させられ、アリアンナに監視されている、と言うものだ。
完全に邪神の考えたシナリオから逸脱しているし、マーカスを追い詰める物でもある。
「王命をただの王子が破棄するなど、王に逆らうのも同じ。これくらいしても足りないくらいですわ」
「アリアンナ様が怖い」
「い・い・で・す・か。何も言わずに、ほろほろと涙を見せ、物言いたげにマーカス殿下を見つめるだけで済むのです。さっさと片付け来てくださいませ」
セレナに遠慮が無くなったのか、アリアンナの強気の態度にセレナは両手を上げ、渋々マーカスがよく居る裏庭に向かった。
さっきちょっとだけ降った。




