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セレナサイド 現実世界ですよ、此処は

少しずつ夜が涼しくなってきたかも。

セレナサイド


ここはゲームだから、なんて寝ぼけた事を言っていると現実世界から弾き出される。


「ウィンストン公爵令嬢様、教室までご一緒させて頂いてもよろしいでしょうか?」


入学してそろそろ1週間経とうとした時下位の令嬢達が玄関口でセシリア達に声を掛けた。

当然、その先にマーカスがいるのを知ってだ。


「嬉しいですわ。折角同じクラスなのですもの、ぜひわたくしをセシリア、と呼んでくださいませ」


セシリアの笑顔に令嬢達は頬を染め、恥ずかしそうにセシリアの名前を呼び、彼女を囲み教室へと向かった。


昼休みも多くの令嬢達や令息達が、誰に命令された訳でもなく自主的にセシリアを取り囲む。


今、セレナの周りにいるもの達はデータの中の虚像ではない。感情を持ち、実際生きているのだから邪神が勝手に考えたシナリオに従う必要もないし、捏造された冤罪など潰せる。


アリアンナは自分達の王にマーカスは相応しくない、と言う現実を学園中に知らしめたのだ。


そして、学生達は自分達で考え、その意志で行動している。


悪事千里を走る、とは良く言ったものだ。

マーカスの素行の悪さはあっという間に学園内だけでなく、彼らの親達にまで知れ渡り、当然アマルファ王の耳にも届いた。

そろそろクーラー無しで寝れるかもしれない。

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