セレナサイド 何故ゴングが鳴る?
ちょっと体調不良の為、数日更新を休みます。
セレナサイド
「1週間後、ですか」
セレナの話を聞き終えたアリアンナの目が鋭くなる。
「何かあるの?」
「学園長様から内密に男爵家の養女が此処に編入を申し込まれ、対応に苦慮していらっしゃると聞いております」
どうやらロードハイド家は学園関係者と言うより諜報機関をまとめる一族の様で、アリアンナもその筋の教育を受けている様だ。
「ならそのまま編入させて泳がせてみたら?」
「監視しやすい所に置いておく方が此方も動き易いですが」
面倒な事になりそうだ、とアリアンナの目が訴えている。
「そいつの狙いはハンサムな高位貴族令息達で、マーカスやリリアン達の婚約者だって聞いているわ」
セレナが腰に手を当て、フンッと鼻息を荒くすると
「貴女、お名前は?」
アリアンナが呆れた顔でセレナを見た。
「名前?セレナよ」
「では、セレナ様。全くセシリア様を演じきれておりません。すぐにバレてしまいますわ」
流石諜報機関。セレナはシュンと肩を落とした。
「……。セレナ様、お覚悟は宜しいですか?」
「なんの?」
「入学迄に徹底的にセシリア様の仕草を貴女に叩き込みます」
セレナの耳元で地獄のレッスンのゴングが鳴った気がした。
暑さに負けた。