表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/16

4 2日前(就寝前)


「……………ん」

眠い。私は目を擦りながら、パソコンの画面を見ていた。もしもカルタが本物だった場合、少しでも早く対応した方がいい。伊藤さんがまだ生きていればいいのだが。そう思うのなら、実際に電話してみればいいのだろうけど、そうしないのは、怖いからだった。正直もうあのカルタには、かかわりたく無かった。


「【赤いちゃんちゃんこ】、と」

黙っていると怖いので、私は声に出しながら、伊藤さんが引いたという都市伝説について検索する。かかわりたく無いのに、こうして調べているのは、私がどうしようもなくお人好しだからだろう。すぐに電話をしないあたり、それはただの自己満足なのかもしれないけど。


ずず、と眠気覚ましに入れて来たコーヒーを啜りながら、【赤いちゃんちゃんこ】について書かれたページに目を通していく。


「んー、学校の七不思議の一つに入る事が多くて………トイレの霊の一つで………赤いちゃんちゃんこ着せましょか、が口癖みたいなもの………霊になった原因は、いじめられたから?………殺された死体は、首を切られて自分の血で赤いちゃんちゃんこを着たように見える………うーん。やっぱり改めて見てみるまでも無かったかな」

改めてみるまでもなく、ほとんど知っている情報ばかりだった。


「……………これは、やっぱり」

確認して、確信が持てた。この都市伝説から助かるのは簡単だ。「赤いちゃんちゃんこ着せましょか?」と聞かれたら「そんなものは着ない」とはっきり答えればいい。それより何より、学校の女子トイレの、一番奥の個室に近付かなければいい。


いくらなんでも、この時間には伊藤さんも家で眠っている筈だし、何より私が限界だ。

メールするにしろ、電話するにしろ、私は明日へ判断を先延ばしして、今度こそ寝る事にした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ