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見上げた空は、今日もアオハルなり  作者: 木立 花音
第四章:桐原悠里のトラウマ
23/30

『桐原悠里のトラウマ③』

 差出人:yurikirihara@hotmail.com

 件名:無題

 送信日時:20**年9月16日


 私は、自宅で何度か暴行されています。

 相手は母親の交際相手で、三十代後半位の男性。



 メールの内容は、こんな文面から始まっていた。


 * * *


 それは、九月十二日。金曜日のことだった。

 いつものように図書館で一人自習をし、帰宅時間を調整した上で自宅に着いた私は、玄関のカギを開けて中に身体を滑り込ませた。今日もなんとか無事に終わった。安堵の溜め息一つ。引き戸を閉じようとした瞬間のことだ。扉に誰かの手が掛かり、閉じる動きを阻害される。

 驚いて視線を上げると、知っている男の顔があった。

 粗野な印象を伝えてくる茶褐色に染めた短髪。日焼けした筋肉質な体つき。母親の交際相手だった。来訪者が苦手な人物だったと気が付き、私の心が微かに震える。

 しかし、私は怯えの感情を必死に押し留め、無理矢理口角を上げて造り笑いを浮かべる。これが、場を切り抜ける為の最善手だと知っていたから。

 だがこの日に限って、男は何の反応も示すことなく、値踏みするような視線を這わせてきた。

 気持ち悪い。心の奥底で嫌悪しつつも、浮かべた笑みは絶やさない。

 私がどれだけ愛想を振り撒こうと、彼が見せる反応は大体、無関心。無表情。機嫌を損ねているときなら無言で殴ってくるはずなので、このまま逃れられるはず、と胸を撫で下ろした。

 でも、それは甘い判断だった。

 男が静かに笑う。笑顔とか、優しい笑みとか、間違ってもそんな表情ではなくて、内に秘めた欲望を解放するような、歪んだ嘲笑。

 即座に私の脳が、異常と危険を察知する。反射的に、背を向けて逃げ出した。

 とはいえ、逃げる場所なんて家のなかにしかない。リビングに入ったところで片手をねじ上げられると、そのまま羽交い絞めにされてしまう。

 口を塞ぐ武骨な手の感触に怯えながらも、意外と冷静に思考が働いた。おそらく何度か私を尾行して、帰宅時間を確かめていたのだろう。もしかすると、玄関口の直ぐ脇で待ち伏せをされていたのかもしれない。

 障害がなかったら、気がつけたのだろうか――

 耳が聞こえない自分の不幸を呪う暇もなく、そのままの勢いで床に押し倒される。胸を打ちつける床の固い感触に、一瞬息が詰まって呼吸ができなくなった。


 気がつくと、私は動かなくなった心の在り処を探るように、指先だけを動かして天井を見つめていた。抵抗しようという気力は、とっくに削がれていた。口の中は、にじみ出る血の味で溢れかえっていた。


 無論最初は抵抗した。口元を押さえつける力の強さと、丸太のように太い腕に怯えながら、それでも必死に身体を捩って抵抗した。

 彼の指先を噛んだ瞬間、視界が真横に吹っ飛んだ。一拍遅れて激しい痛みが側頭部を襲い、意識が朦朧(もうろう)となった。そして同時に気が付く。拳で思いきり、こめかみ付近を殴られたのだと。

 意識が飛ぶくらい強く殴るなんて――

 憎しみの感情をこめて睨み返すと、二度、三度と立て続けに頬の辺りを殴られた。口の中が切れたんだろう、鉄みたいな苦い味が口内に広がって、ああ、無理なんだ。逃げられないんだって悟る。

 抵抗する意思が無いのを示す為、両手を力なく床に広げると、直ぐに仰向けにされて両手首を頭の上で固定される。試しに力をこめてみるも、拘束する腕は微動だにしない。

 そのまま彼は馬乗りになって私を見下ろすと、何か短い言葉を呟いた。聞こえないけど口の動きから察するに、『騒いだら、殺すぞ』たぶん、こんな感じだろう。

 どうせ、声なんて碌に出せやしないのに。こんな的外れなことでも考えていないと、平静を保てそうになかった。


 不意に私の指先が、凍り付いて動かなくなった自分の心を探り当てる。

 熱いとか、温かいという感触はない。ただただ、冷たくなって凍えている。まるで氷のように、その表面を滲んだ涙で濡らしながら。

 ガラスのように繊細な心の器の内面は、自分でも顔を背けたくなる程の、真っ黒な感情で澱んでいた。強い嫉妬と、激しい憎悪と、無力な自分への失望。幾つものマイナス思考が、行き場を失って蠢いていた。

 長く雨が降り続いた後の川のように。あるいは、誰からも存在を忘れられ、清掃もされない泥だらけの池のように。

 本当に醜い心。胸の内でだけ、自分への不満をぶちまける。


 彼は母親の交際相手で、三十代後半位の男性だ。

 明るい髪色や、鍛えた胸を誇示するように晒した服装。そんな派手な外見に反して、自らの社会的地位に劣等感を感じている男だった。

 そして、自分の劣等感を慰め、覆い隠すために、自分より弱い存在を見つけては、高圧的な態度に出る。そんな感じの男だった。

 思えば昨年の秋頃か。「この人とお付き合いをしているの。行く行くは結婚も考えている」とママに彼を紹介された瞬間から、自分の人生が狂わされる予兆のようなものを感じ取っていたのかもしれない。

 初見から、違和感があった。私は男の目を見つめて頭を下げたけど、向こうは目を合わせてこなかった。理由は直ぐにわかった。

 男の視線は私の目ではなく、もっと体の下の部位。例えば胸元であったり、スカートから覗き見える太腿などに注がれていたから。

 絡みついてくる視線に嫌悪しながらも、若い男性に比較的ありがちな、抑えようのない性癖の一つなんだと解釈していた。それが如何に甘い考えだったのかは、今まさに、思い知っている。

 それでも、と私は思う。最初は問題無かったんだ。

 基本的に夜勤の仕事が多いこの男は、私が学校から自宅に戻ると、時々家に押しかけ上がり込んで来ては、リビングに寝そべってテレビを観ていた。

 私の姿を認めると、舐めまわすような視線を這わせたり、機嫌が悪い時は、射貫くような眼差しを向けてくることも多々あったが、手を上げることだけはなかった。

 それが突然変わったのは、去年の十月か十一月頃。

 どうやらギャンブルで酷く負けてきたらしい彼は、私を見るなり拳で顔を殴ってきた。こめかみの辺りに強い衝撃と痛みを感じて床に蹲ると、今度はお腹を蹴り上げられた。胃酸が逆流してきて咽ながら泣いていると、このときは直ぐに止めてくれたけど、この日を境にタガが外れてしまったんだろう。機嫌が悪いと直ぐに殴ってくるようになる。

 けれど、彼もなかなかにしたたかなもので、傷の目立つ顔は最低限しか殴らず、衣服で隠れる胸部や腹部を重点的に殴った。鳩尾(みぞおち)付近に(かかと)を落とされたときは流石に堪えきれず、胃の内容物を全部吐き出してしまったが。おかげで私は、自分の吐しゃ物を、ママに見つからないよう念入りに掃除する羽目に陥った。

 もちろん、最初はママに相談するつもりだった。けれど、『親に告げ口したら、お前も母親も二人纏めて殺すぞ』と脅され殴られてからは、言い出せなくなってしまう。

 目を見て直ぐにわかった。この男ならやりかねないと。

 結局私は、暴行から逃れる方法・手段として、ママがパート務めから帰ってくる夜の七時頃までの時間を、学校で費やすようになる。

 元々濃い化粧をする習慣があったおかげで、顔の痣も上手く隠せていた。だから誰も、私の”隠し事”に気づかなかった。親友や、母親ですらも。

 日中は極力自宅にいないよう帰宅時間を調整してからは、暴行を受けることも殆どなくなった。男は、ママがいる間は、決して手を上げないのだから。

 こうして、どうにか平穏な日々を送れるようになる。

 思えば、これですっかり気持ちが緩んでしまい、いつの間にか忘れていたのかもしれない。男が元々、私に性的暴行を加える意思を持っていた可能性を。


 私は天井の染みを見つめたまま、ずっと現実逃避を繰り返していた。視界に映るものの全てを否定し、憎み、目の前で行われている行為から目を背けていた。

 しかし、ブラウスの胸元から男の指先が滑り込んでくると、私の意識は一度に現実に引き戻される。

 驚いて、虚ろだった瞳の焦点を合わせると、彼は笑みを零していた。情欲に塗れた歪んだ表情、とでも言えば適切だろうか。

 なんて醜悪な顔。

 嫌な汗が背筋を伝い落ち、体中が凍えるように冷たくなった。彼が、性行為そのものにしか興味がなく、前後の見境がなくなっているのは直ぐにわかった。

 汚れた水のように、後悔がじくじくと染み出してくる。

 こんな日がいつか来ると予見しながら、誰にも相談をしてこなかったこと。家の中に入れば大丈夫だって、心のどこかに油断があったこと。

 ああ、広瀬君に告白しておけばよかった。

 私の初めてがこんな粗野な男だなんて、最悪だ。


 男の手がブラウスの胸元を引きちぎる。乱暴に体をまさぐられ恐怖に目を閉じると、不意に下半身に激痛が走った。

 ――痛い!

 いつの間にか男の指が、スカートの中にまで侵入していた。足をバタバタさせてもがいてみても効果は薄く、スカートも捲り上げられてしまう。抵抗したいけど、怖くてできなかった。また殴られるってわかっていたから。

 こんなとき、抵抗すれば逃げられるなんて絶対に嘘だ。

 ここからは、必死に心を殺すことに集中した。

 でも、大きく足を開かされた瞬間無防備になった下半身に意識が集まると、殺していたはずの恐怖心が目覚め頭の中を蹂躙していく。

 辛いよ。

 悲しいよ。

 助けて。誰か、助けて――

 来るはずのない助けを、ずっと心の中で求め続けた。


 ところが、男は突然動きを止める。

 私の身体を強引に引き起こすと、髪の毛を鷲づかみにして鋭く睨んでくる。何事かをぼそぼそと二言~三言呟いたあと襖を開けると、隣の和室に荷物ごと強引に押し込まれた。

 まったく、状況がわからなかった。

 取り敢えず足首の辺りに引っ掛かったままの下着を履くと、衣服の乱れを簡単に直したのち襖を静かに開けてみる。リビングの様子を窺うと、買い物袋を掲げたママの姿が見えた。そこでようやく私は理解する。ママが帰ってきた物音が聞こえたので、証拠隠滅を図るために隣の部屋に押し込まれたのだと。

 助けを求めようと一瞬だけ考え、直ぐに諦めた。恐らく先程男が放った一言は、『言えば殺すぞ』の類。このタイミングで、私の裏切りに男が逆上したら、自分だけじゃなくて確実にママも殺される。

 結局私は、何もできないまま荷物を持って自室に戻る。鏡で顔を確認してみると、唇が切れて血が滲み、頬には青黒い痣ができていた。

 酷い傷だったけど、経験上、化粧で隠せる範囲だと判断する。隠すことを第一に考え、誤魔化せることに安堵している自分の無力さに、全身から力が抜けていった。


 暴行は、更に繰り返された。

 土日に何もなかったことで、少し安心していた矢先の月曜日。

 玄関口で待ち伏せされると、金曜日と同じようにあっと言う間に押し入られた。

 直ぐに二度、三度と殴られ抵抗する意思を奪われると、ママの寝室に引きずり込まれる。ベッドの上に押し倒されたとき、前回以上の恐怖に身体が震えた。

 ブラウスをたくし上げられ、スカートも捲られる。けれど太ももだけは絶対に開かなかった。何度頬を叩かれても、固く膝を閉じて拒み続けた。

 男は苛立ちの声を落とすと、私の両膝をがしっと掴んで力づくで広げた。恐怖で短く悲鳴が漏れる。即座に体を割って入れられ、閉じようとした足の動きは阻害された。

 男に抱きすくめられると、その体格の良さがはっきりと感じられる。圧倒的な膂力(りょりょく)の差。抗えないんだという現実に恐ろしくなってくる。

 次第の男の手が動き始めた。首筋を這いずり回る男の舌と、耳たぶに掛かる乱れた吐息が煩わしい。

 男が耳元で何かを囁く。何を言ってるのか薄々わかっていたけれど、視線を横に向けて気付かない振りをした。


 だって私、耳が聞こえないし。


 何よりも悔しいのは、強く拒絶する心とは裏腹に次第に高まっていく私の体。まるで自分のものじゃないみたい。

 男は突然動きを止めると、(いや)らしい目で私を見下ろし舌なめずりをした。征服してやったぞと言いたげに歪んだ口元で、汚らしい言葉を呟いた。


 ――嫌がっていても、体は正直なんだな。たぶん、こんな所か。


 知ったことか。顔を横に向けたまま、血が滲むほど強く唇を噛んだ。血なんてとっくに溢れてるんだ。多少増えても変わらない。

 たとえ体が感じても、絶対に心では感じない。死んでも声なんて出してやるもんか!

 男が上体を起こしてベルトに手を掛けた瞬間、動きが止まる。忌々しげに舌打ちを降らせると、踵を返して部屋を出て行った。

 どうやらママが帰宅したようだ。恐怖しか伝えてこない男の背中が消えたのを確認した後、扉に向けてた視線を無理やりに剥がした。

 大の字になっていた身体をゆっくり起こすと、滲んでた血を拭きとりながら私は思う。

 これがこの先、毎日続くんだと。そう悟った瞬間、私の心が壊れる音がした。

 割れて砕けて足元に散らばって。まるで割れたガラスの破片のようなそれは、未だ抵抗の意思を残すように、あるいは、この世界の全てを憎むように、鋭く光り、そして尖っていた。

 私は砕けて散らばった心の破片を、冷めた眼差しで見下ろしながら思う。


 ──無駄なのに。気持ちを伝える手段も勇気もない癖に。誰もお前の砕けた心なんて、拾い集めてはくれないのに。


 * * *


 これで全てです。

 もう、疲れました。

 ごめんなさいママ。

 ごめんなさい、みんな。

 不幸ばかり呼び込む私のことを、どうか許してください。



 俺は読んでいる途中から、強い悲しみと怒りを覚え、同時に吐き気をもよおしていた。

 視界が暗転して、天井と床が引っ繰り返るくらいに足元が歪んで、何か行動をしないとって頭では理解できているのに、足には全然力が入らなくて、椅子に腰掛けたまま、立ち上がれなくなっていた。

 それでも俺がある程度の自制心を保ち、かつ、吐かずにいられたのは、既に美也が屑篭(くずかご)を抱えるようにして嘔吐していたからだ。

 一通り胃の内容物を吐き出した後も、彼女は床に手を着いたまま、人目も憚らずに号泣していた。慎吾も俺達同様、酷いショックを受けているようだったが、この状況下では、美也の背中を擦るので精一杯だった。

 しかもメールの送信日時。今週の火曜日だった。

 桐原からのSOSは、思ったよりも早く出ていた。こんなわかり難い方法で。くそっ、なんでだよ!?

 けど、それでも、彼女なりに勇気を出した結果なのだろう。気付いて欲しい。でも、気付かれたくない。相反する心が鬩ぎ合うなか、メールというかたちになったのかもしれない。

 桐原を助けるんだと息巻いていたはずの俺の高揚感が、あっと言う間に冷え込んでいく。遅すぎたんだ。何もかもが。

 だが、こうしてはいられない。痺れきった脳が冷静さを取り戻してくると、俺はスマホを取り出して桐原にメッセージを送ってみた。文章は短くシンプルにこれだけ。『今、何処にいる?』

 美也程では無いにしろ、放心状態になってる早百合を慰めながら、桐原からの返信を待った。時計の秒針が、三周回るのを見届けた。彼女からの返信はおろか、既読すら付かなかった。


「なんだよ、コレ」桐原は悪くないのに、思わず悪態が口をついて出る。「なんで既読すら付かないんだよ」

「なあ、捜しに行こう、桐原さんのこと」慎吾が堪えきれずに叫んだ。「嫌な予感がするんだ」

 同感だ、と俺も同意する。「なあ、早百合?」

「あ……うん」早百合が目元を拭いながら、顔を上げる。

「巻き込んじゃったようで悪いんだけど、もうちょっとだけ力を貸してくれ。美也のこと頼むわ。とてもじゃないけど、ソイツ、暫く動けそうにない」

「分かった。悠里のこと、私からもお願い。まさかここまで酷い状況だとは、思っていなかった」


 涙を流しつつも幾分か冷静だった早百合は、美也の傍らに膝を折って座ると、顔色を窺いながらゆっくりと背中を擦り始めた。一方で美也は、未だ顔を上げることすら難しそうだ。

 俺は荷物抱えて立ち上がると、慎吾に言った。


「慎吾。お前は桐原の家に行って様子見てきてくれないか?」

「わかった。……それで? 斗哉はどうするんだ?」

「桐原がいるかもしれない場所に、ちょいとばかり心当りがある。取り急ぎ、そっちに行ってみるよ」

「なるほど。……今は一刻も早く彼女を見つけた方がいいだろう。了解。二手に分かれよう」


 慎吾が肯いたのを合図に、俺たちの足は同時に動く。文芸部の部室を飛び出すと、「後のことは宜しく頼む」と、果恋や太田に簡単な状況説明をした上で、校舎の外に出た。そして、そのまま走り出す。

 大通りをしばらく二人で走った後、桐原の家に向かう小さな交差点のところで、慎吾とは別れた。

 歩道を歩く人の波を避けるように走りながら、考えていた。

 昨晩から桐原は、ちょくちょく連絡を寄こすようになった。なので、心を開き始めたように思っていた。だが、逆にこうも考えられないだろうか?


 今日、()()()()()()()()()()()()()()()()()、快方に向かっているように見える。


 この予想が当たっていると、非常にマズい。

 桐原の行動パターンを推測して、彼女が今現在いるであろう場所。これは恐らく二つしかない。

 一つ目。

 先ずは自宅。昨日までと同じように、自室に引き篭もり続けている可能性。

 二つ目。

 外出することへの恐怖心に抗いながらも家を出るとすれば、それは全てを捨てる覚悟ができたとき。そして……桐原が自身の身を投げる場所として選択するのは、きっと”あの場所”だ。

 本心では、この予測が当たって欲しくないと唇を噛みながらも、恐らくは当たるだろう。そんな、嫌な確信が俺にはあった。

 いて欲しい。でも――いて欲しくない。相反する二つの感情に板挟みになりながらも、俺は走り続けた。


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