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異世界青春嘔  作者: 南場針須
世界を越えた嘆き
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16/17

居てほしかった


 あれから何時間たっただろうか。真琴を失った喪失感が忘れられず、ずっとこのベンチでこうしてねろがってイルミネーションを眺めている。いつからか雨も降り始めたがそんな事も気にならなかった。むしろ雨はこのいろんなものが混ざった感情に、静かに浸らせてくれた。

 そんな感情をどうしようもなく引きずっていると、雨が止んだ。否、遮られた。ふと上を見上げると黄色い傘を持ったシアンが優しい顔で立っていた。

「帰りましょ。私たちの家に」

 冷えた体に、シアンのレインコートを羽織って。シアンの傘に入って、雨水で覆われた道を歩く。

「真琴さんは、行っちゃいましたか」

 シアンがしばらくの沈黙を破った。

「私も最後になにか話しておけばよかったなあ」

 僕は何も言わない。

 大きな雨粒達が傘を震わせる。

 チャラン。と音がして、見るとシアンの手の先にキーホルダーがぶら下がっていた。

 僕がずっと探していたキーホルダーだ。真琴と僕の写真が入っている。

「それ、何処で」

「貴方を探す道中でたまたま見つけました。これで、我慢してください」

 震えた手でキーホルダーを受け取る。

 キーホルダーからはシアンの温もりを感じた。


短いな

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