4話
「(まじかよ…大勇者は有りで勇者王は無しなのかよ!それ絶対俺が先に鑑定やっとけば、勇者王あるなら大勇者あってもおかしくないな、ってなったよ!!は、早くどうにかしないと!!)」
悠太は焦りながらどうにか勇者王を隠せないか考える。
「こういうのってあれだよな!ラノベで考えると、よくあるのが鑑定を受けないとか?いや、駄目だ。この場所から離れるにはドアが一つしか無いし、出るときバレる!なら、偽装能力か!ん?そういえば能力ってどうやって見るんだ?もしかしてステータスとかを思えば出てくるんじゃないか!?」
そう考えたところで、悠太の目の前にゲームで出てくるようなステータス画面が現れた。
「でてきた!いや、感動するのは後だ。自分の能力を見ろ、そして隠蔽があるか確認するんだ!」
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名前:ユウタ テンドウジ
性別:男
種族:人間ですか?
~Status~
力:Unknown
魔力:Unknown
素早さ:Unknown
賢さ:Unknown
~アビリティ~
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「(…ステータス画面がなんで種族を聞いてくるんだ馬鹿野郎!!俺はどこからどう見ても人間だろうが!!!)」
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名前:ユウタ テンドウジ
性別:男
種族:どこからどう見ても人間だと思っている何か
称号:勇者王
~Status~
力:Unknown
魔力:Unknown
素早さ:Unknown
賢さ:Unknown
~アビリティ~
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「(くっそ、こんなステータスあるか!いや、今はそんな時ではない!偽装は…ない…けど、アビリティセットしてくださいってのは何だろ?)」
気になり、悠太はセットしてくださいと記載されている項目をタッチする。すると別ウィンドウが出現した。
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セットしたいアビリティを検索してください。
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「検索?えっと偽装?」
悠太は周りには聞こえない程度の声で出現したウィンドウに答える。
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3件ヒットしました。以下に表示します。
・偽装
・偽装(極)
・偽装(真)
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「え、偽装ってそんな種類あるのか…何が違うんだろ?ってか検索してセットできちゃうってどんなチートだよ…」
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偽装:相手が鑑定のスキルを持っていた場合、それに対抗できる。
偽装(極):相手が鑑定(極)のスキルを持っていた場合、それに対抗できる。
偽装(真):何者にも本当のステータスを見ることは叶わない。
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「偽装(真)やばすぎだろ…けど良かった。これをセットしよう」
偽装をセットすると、更にもう一つのウィンドウが出現した。
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(偽)
名前:ユウタ テンドウジ
性別:男
種族:こんな事できる人間いない
称号:セットしてください。
~Status~
力:セットしてください。
魔力:セットしてください。
素早さ:セットしてください。
賢さ:セットしてください。
~アビリティ~
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
セットしてください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「おっと、偽装にすると、力や魔力についても自分でセットするのか。なら、本ステータスにきっとあるだろう、鑑定(真)をセットして、みんなの能力値を拝見させてもらって差し障りの無いステータスにするか」
悠太は皆のステータスを確認し、平均的な値をセットした。
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(偽)
名前:ユウタ テンドウジ
性別:男
種族:こんな事できる人間いない
称号:魔纏士(極)
~Status~
力:1200
魔力:3200
素早さ:2600
賢さ:2000
~アビリティ~
魔纏の心得(極)
魔力制御
節約上手
並列思考
冷静
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「こんな感じかな。少し能力高めにしちゃったけど、まあ、見られなければどうということはないかな。って、種族!いい加減にしろ!それだけで疑われるわ!変えよう変えよう!」
悠太はすぐに種族を人間にセットした。
「そろそろ…いくか…?」
今まで話さなかった流斗が悠太に聞きに来た。
「ん?そうだな。もう後何人か、って感じだもんな。並ぶか」
「あぁ」
流斗が先に並び、悠太は後ろに並ぶ。そして流斗に順番が回り、手をかざした。
「こ、これは、侍(真)…勇者と並ぶ特級の称号!」
第一王女が驚く。
「…特級とは…凄いものなのか…?」
「はい、1等級と特級はかなりの差があり、侍(真)の称号は珍しく、また、勇者に引けをとらないほどの強さがあると、伝書に記載がありました」
「そうか…これなら…いざという時、克哉の足手まといにはならなそうだ…」
流斗は珍しく、笑みを浮かべ安堵した。
「さーて、次は俺か」
悠太は悠太で偽装が使えて非常に安堵しながら水晶を見る。
「はい、では手をかざしてください。」
悠太が手をかざし、数秒後に水晶は発光し、称号が魔纏士であることを映し出す。
「こ、これはまた、珍しい称号ですね」
「あれ?そうなの?(普通にリストにあって、厨二心が疼いちゃったからこれにしたんだけど、まずかったかな?)」
「はい、魔纏士は現在この世界では確認が取れておりません。ですが、伝書では召喚された勇者様のお一人がその称号を持っており、一等級の称号なのにもかかわらず、特級並の戦闘力を保持していたと記載されておりました」
「(あちゃー!やらかした…(極)だったから一等級だと思ってたけど、まさかその中でも強い称号だったとは)」
「また、伝書にはその勇者様は時折、右手が疼くとか、魔族を倒すときに闇の炎に抱かれて消えろ!などと、少し…特殊な言葉を発していたようです…」
「(おいー!前の魔纏士野郎!何言ってやがんだ!お前のせいで第一王女がなんか俺をかわいそうな目で見始めちゃってんだろうがー!ここは訂正せねば!)」
「そ、そっか、以前の魔纏士はなにか患っていたのかな!?まあ、俺は別にそんなこと全然ないから!」
「は、はい…その、何か有りましたらいつでも相談してくださいね?」
「あ、ありがとう…(ちくしょう!完璧に俺、かわいそうな人断定されたわ!そして聖女慈悲深い!)」
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