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プロローグ

その世界は赤と、朱と、桃、少しの茶色で彩られ不純な物は一切許されたい。ある意味ではとても綺麗な景色だろう。人に憎しみや怨みが積った者から見ればその世界の主を神と崇め奉り永遠の信仰を捧げるだろう。


「お前が!お前のようなモノが!悪魔であっていい筈はない!!お前はっ…お前はぁ!!」


一人の男が口から泡を飛ばしながら人間の臓腑と返り血、糞尿で汚れた地面に仁王立ちする人影に怒り、憎しみ、恐怖、少々の諦めが入り雑じった人の言葉では表現出来ない感情をありったけ放つ。


「お前は…っ!おまえは…!」


たが、それ以上の言葉は出てこない。何故ならばその男の感情と同じように地獄よりも悲惨で人に無慈悲なこの世界の主は人の言葉で言い表せられるような小さな存在ではないから。

男はお前はと何度か連呼したあとハッと気が付いて暫く沈黙したあと狂ったように笑い始めた。


「そうか!!そうだったな!!お前に名前など無い!あるはずがない!あってたまるか!!」


男は短剣を抜き、人影に切っ先を向ける。

そして言葉を続けた。


「神を否定する世界の!龍の国で生まれ育った不浄な存在なんぞ居てたまるか!!」


男は短剣を自らの喉に突き立てるとその世界に静寂が戻った。

そこに残ったのは潰れた臓腑と血と糞尿、それらの臭い。

それらが世界の主を優しく包む。


主は世界を拡げるために前に進む。



背中に命を引き摺りながら

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