始まりの場所
「ラブコメ作るために付き合ってください」
唐突に言われたその言葉は
俺の脳内でぐるぐる回った
彼女、もとい結城真里奈は無表情で突っ立っている
俺は整理するために人差し指を立てて結城さんに質問する
「結城さん、それはつまりどゆこと?」
「あら、久しぶりにその呼び方聞いたわ金君」
そこまで会話してから俺は思わず吹き出してしまった
ちょうど一年前の出来事を思い出してしまって笑わずにはいられなかった
真里奈も笑いをこらえている様子
「笑っちゃダメでしょ恋愛君。せっかく一年記念で告白(仮)した場所に来たのに」
「いや、改めてここに来ると面白くて」
ここに来ても常々思う
俺たちの始まりの場所から色々あった
俺も最初は付き合うって単語だけで腹が痛くなってた気がするが
もうそんなのどうでもいいくらい気持ちが強くなった気がする
俺がそこまで考えてると真里奈がモジモジし始める
「どした真里奈?トイレか?」
「違うわよ、あなたにお願いがある」
「おう!なんだ?どんとこい!」
「ラブコメを作るために結婚してください」
真里奈の言葉を理解するのに、10秒ほど費やした
いやいやいやいや待て待て待て、どういう風の吹き回しだ?
・・・・ん?ラブコメを作るために?
「やっぱりラブコメって男の気持ちとかも分からなきゃいけないと思うの。それだと身近に男子の気持ちを簡単に言ってくれるのって恋愛君くらいだから・・・・」
「いやいや!結婚は言い過ぎだよ!せめて同居!いやそれもちょっと考えるけども!」
結婚。という単語に俺の頭は花畑状態
真里奈のウエディング姿・・・・可愛いんだろうな
いや、しかし俺たちは来月から大学生
二人とも大学生ともなると生活費が稼げない
やはりまだ早い気がする。俺は慎重に言葉を選んで口を開いた
「真里奈、まだ俺たちは結婚出来ないよ。お互いに職場に就いて安定してきたら俺が迎えに行く」
「なんだか、高杉君みたいね」
「あはは、確かにそうだな。けど本当だぜ!俺は真里奈が好きだから」
「・・・・うん。私も大好き」
始まりの場所にて終わりを迎える
一筋の涙を浮かべている真里奈を抱きしめて
俺の。俺たちの高校ラブコメディーは幕を閉じたのだ
はい。ということで金華山恋愛編となりました
本当の終わりを彷彿とさせた話になりましたね
ひょんな事で色んな出来事に巻き込まれ、結果的にほぼ全員がハッピーエンドとなりました
自分の小説でここまでバットエンドがないのも珍しいし脱線もしなかったのは自分でも褒めたいですw
ということで次回は最終話になってしまいました
さすがに最終話の次回予告は控えます
次回お楽しみに!




