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エピローグ5『二つある女の巣立ち』

卒業も間近の時、百華さんから話があると言われて

また百華さんの家に招待された

なんでも二人きりで話したいとのことだったので

なんの話なのだろうか・・・・相変わらずここは緊張する


「恋愛君いらっしゃい。そんなに硬くならなくてもいいのに」


「いや、こうやってくるの八坂さんの事件が終わった以来だなって」


「確かにそうね」


俺は感がいいわけじゃない

だけど、なんとなくだけど百華さんが無理して笑顔を作ってるのは分かる

すると百華さんはある写真を見ているように感じた

俺もその写真を見ると中学生くらいの百華さんが二人いる

・・・・二人いる!?!?


「ここここれってドドドドドッペルゲンガーってやつじゃ!?」


「何言ってるのよ。違うわよ、これは私のお姉様」


俺は写真を受け取ってマジマジと見てみるが

かなりそっくりである

だが明らかに清楚な格好と荒れた格好してるので

なんとなく清楚な格好が百華さんだと判断した


「恋愛君の予想通り、少しお姉様は世間一般的に言う不良だったのよ」


「へ、へぇ姉いたんだな!今はどこにいるんだ?」


乙十(おと)お姉様は私が高校に入る前に不良にやられて死んでしまったわ」


まさかの言葉に俺は口を噤んでしまう

百華さんはまた無理してるような笑顔で気にしないでと呟く

俺が無言でいると百華さんは静かに口を開いた


「元々御曹司はお姉様だったのに、お姉様は不良になり色々私に負担をかけてきたわ。お姉様はその度にお前も自由になれよって言った。なにもかも親の言うとおりにしてたのが気に食わなかったのかもね」


百華さんは語りながらアルバムを開く

色々な写真があるが、高校になってから

乙十さんの写真は一切なかった

いくら不良でも殺したら犯罪だ

御曹司を殺したとなりゃその人たちは永遠に捕まってるんだろうな


「お姉様が死ぬ前に私に一通のメールが来たわ。見る?」


百華さんから渡されたガラケーを見るとこう書いてあった


『百華、お前はもう一人でも生きていける。だが親父達の言うとおりだけしたら七光りとか馬鹿にされる日も来るだろう。お前には全て完璧にこなせる力がある。きっとお前ならそれら全員圧倒していくんだろうな。今まで迷惑かけたことをお詫びします。明日からずっとお前を。支えていくから』


・・・・これって遺書と変わらないじゃないか

不良になっても、死にそうな時でも

妹のことが心配だったんだろうな


「だから俺は死んだ時決意した。百華を守ってみせると」


急に口調が変わり俺はパッと顔を上げる

少し目つきの悪い、怒った時の百華さんだ

いや・・・・まさかそんな・・・・


「あなたが・・・・乙十さんなんですか!?」


「今まで悪かったな三年間見守ってきたが、貴様のおかげでその役割からも抜けられそうだ」


「待ってください乙十さん!!百華さんはまだ一人立ちなんて出来ていない!顔見ればわかりますよ!」


「お前の存在が百華を大きく変えた。俺がいつまでもいたらだめだろ」


「百華さんは意地はってるだけでまだまだか弱い女の子です!まだ見守ってあげてください!」


俺が百華さん(乙十さん)の肩を掴み必死に懇願する

きっと百華さんは分かっていたのだ

俺が来てこの話をして無理して乙十さんと離れようとしてるのを

まだ百華さんには支えてくれる男性なんていない

出来れば俺も支えてあげたいが真里奈がいるのでそれは難しいだろう

支えてくれる人が来るまではどうにかして乙十さんが支えてくれないと!

また許婚みたいなことになりかねない!


「・・・・分かった分かった。お前はよく見てるよほんと」


「本当ですか!良かったぁ」


「ありがとう恋愛君。私、もっと強くなる。ちゃんとお姉様にも恋愛君にも心配かけないくらいになって巣立ちしてみせるから」


「ああ、無理しなくていい、俺たちはいつでも見守ってあげるからよ」


はい、ということで神宮寺百華編でした

二重人格というのを、なんとか生かしたいと思い

裏がまさかの姉だったというオチでした

百華ときて一千莉ときて乙十ときました

おそらく父親は万じゃないでしょうか?w

最近の人はすぐに親元から離れようとするのが見えるので

ちゃんと自分の力がついてから少しずつ離れるのもいいのではないでしょうか

僕はそんな気がしますね


ということで次回は『without fail』というものです

少しずつ終わりが近づいてまいりました、あと四話程です

それではまた次回!

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