表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/45

序章 今そこにある異世界 - Another world is in the neighborhood. - 1

さすがにちょっと不親切すぎないか、

前作を読んでない人にはチンプンカンプンかも?

……ということで、序章を新たに書き下ろしてみました。


これで多少はユーザーフレンドリーになった……はず?

「海外かぁ……」

 入学式で貰った『高校生活の栞』に拠れば、私たちの修学旅行は海外らしい。

 私的には京都奈良でもいいんだけどな……北海道とか沖縄でも。

 だって日本語しか喋れないのに、海外へ行ってもね?

 ガクガクブルブル震えながら、集団でゾロゾロ行動している姿しか思い浮かばない。

 ダメ!

 舐めたらアカン! 外国、危ない!

 痛い目に遭ってから、日本の治安を再評価しても遅いんだからね!

 怪我と弁当、自分持ち!

 旅行の保険が降りても慰められないものがある!


 …………はぁはぁ…………

 のっけからエキサイトしてすいません。

 私、山田桜里子、入学したての高校一年生女子です。

 日本が大好きな大和撫子……って自称できるほど可憐な少女でもないんですけど。

 取り敢えず十人並みの女子高生です。特に並外れて常人離れした能力があるわけでもなく、由緒正しい高貴な生まれなどでもなく、人が羨むような眉目秀麗の主でもなく……

 普通。

 レーダーチャートで表せば綺麗な六角形、それも小じんまりした面積の、が作図できてしまうスペックの持ち主で。

 そんな凡人JKだって夢を見る。

 何か分からないけど何か成し遂げてやろう、という野望を胸に入学したワケですよ。

 いや、その「何か」を具体的には挙げられないんですけど。

 いいじゃないですか、入学してから探したって。

 兎にも角にも私――山田桜里子は野望の少女だったわけです。

 【 だった 】んです。

 過去形です。

 酷く漠然とした、だけど大きな志を抱えていたんです。入学式までは。

 だけど入学式直後、ちょっとした事件がありまして。

 詳しくはここを参照して下さい。


 http://ncode.syosetu.com/n4775dw/


 ……読んで頂けました?


 どうもありがとうございます。つまりは、そういうことなんですよ。

 掻い摘んで言うと、彩波悠弐子さんとバースデイブラックチャイルドさんという二人の同級生に誑し込まれまして、贅理部という部活に所属することになったんです。

 『 贅 理 部 』ですよ? 贅 理 部。

 分かります?

 その字面からして何をする部活なのか?

 普通分かんないですよね? 私も分かりません。

 自分が所属しているのに分からないのかって?

 ええ分かりませんとも。

 とんでもない美少女が考えることなんて一切理解不能です!

 皆さん知ってました? 美少女っておかしいんですよ、絶対におかしい!

 「ぼく/あたしは、おかしくない美少女を知ってる」と反論なさる方もいるかもしれませんが、それはあなたの知っている美少女が本物の美少女ではないからです。

 本物の美少女は、『美』にステータスを全振りしているので、知性まで点数が回らない。

 いや、そんなこと言って定期テストでは勝てた例がないんですが……

 とにかく私の美少女さん、彩波悠弐子とバースデイブラックチャイルドはおかしい!

 常識的な思考とは掛け離れた領域で生きてるんです!

 だって、そうじゃなきゃ『日本の少子化を目論む悪の秘密結社をこの手で倒す!』とか宣言しますか? 至極大真面目に?

 そのために怪しい人を片っ端から悪認定して喧嘩ふっかけたりしますか? 常識的に考えて?

 常識的!

 常識的に考えて!

 有り得ないでしょ、そんなの!

 とにかくこの二人、彩波悠弐子とバースデイブラックチャイルドはおかしい。

 おかしいので、私が止めないといけない。

 私が止めないと、マジで、本当に、止め処なく迷惑を撒き散らしていくことになる。

 そんなのはダメです! 公共の毒です!

 人様に迷惑をかけないで生きていくのが日本人の美徳なのに!

 なので今日も山田桜里子わたしは身体を張る。

 暴走美少女が引き起こすカタストロフを未然に防ぐために。

 いや、もうね、本当は辞めたい……こんなポジションは貧乏籤以外の何者でもないよ。

 辞めたい……誰か代わって……

 と星に願っても神様が代行を手配してくれる気配もなく。

 私は今日も、美少女二人と何だかよく分からないJKライフを過ごすことになるのです……

少し長くなったので、二分割にします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ