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短編

僕の声を聞いて5

僕の声を聞いてシリーズ5作目です。

永島光の他の小説の方も読んでください。よろしくお願いします。

「はぁ…。今日が最後かぁ…。」

人は朱色一色の僕にそう言った。僕の人生が今日で終わってしまうわけではない。僕の余生は岩見沢(いわみざわ)で過ごすことが決まっている。

しかし、ここで働くことができるのは今日までだ。「見てみな。人ってやつは嫌な生き物だなぁ…。作ったときは便利だとか言って皆見に来るのに…。そして最後だっていう話をすればまた集まる…。集まるんだったらなくならないでほしいのになぁ…。こんな赤字でもよう。」

僕に二人乗り込んだ。先に乗り込んだ人が言う。

「でもあなたはよかったんじゃないんですか。深名線(しんめいせん)と人生共にしてきたぐらいなんですから。」

「だから廃止になってほしくないのよ。バスで残ったって…魅力なくなるだけじゃねぇか。」

(魅力がなくなる…。)

それは僕にも理解できたつもりだった。

翌日。工場に入って出てきたのは数ヵ月後だった。僕がこれからいるべき場所は前の仕事場とは違う。仲間のほとんどがいなくなってしまった。時々会えるけど会う回数は一日三回ぐらい。他の仲間はいったいどこに行ってしまったのか。それとも僕より先に逝ってしまったのか。

月日が流れて最初の仕事場から遠いとこで今は働いている。時々元の仕事場の近くに行くことがあるけどそこは僕がいたときから結構変わっている。

(この先に線路が続いてたらなぁ…。)

その先には草が生えて、僕が働いていたことを知るのは…。

人は忘れる動物。それが(あらわ)になっていることが僕にはとても悲しい!!

最初は広尾線(ひろおせん)の設定で考えてたんですが、途中から深名線(ふかなせん)設定に変わってしまいました。


両線とも北海道に走っていた実在した鉄道路線です。この事実を知っているのはここに行ったことがあったりした人たちなど今ではごく限られているでしょう。

鉄ちゃんや道ちゃん(女子鉄)になれと言いません。誰かに伝えると言うことこそ知った人知っている人の義務ではないでしょうか。

違いますか?


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