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懐の小文  作者: 葡萄
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さくら

ペンパルサイトでの、中年の中国人女性への返信抜粋

 満開の桜花の下で弁当を食べ、酒を酌み交わすことは、日本人にとって大いなる愉楽のひと時です。が、遠い昔の日本の歌人たちは、桜花の咲き乱れる春盛りの野道を一人歩きしながらも、野辺に落花してその色香の失せつつある花びらに見入りました。そして、今年の桜花の言わず語らずの末期の一句に聴き入るかのようにして耳を澄ませてのち、一首詠み歌ったといわれています。

 桜は春のいっときにパッと咲いては、あたかも死と生は同時であるかのように、またパッと散りゆく花です。しかしながら、花の開花と散華を「生者必衰」の喩えに使うのは、日本や中国を始め、他のいかなる西洋の国々の民であってさえも、例外ではありませんよね。だから、それをしいて日本人特有の心情である、などと気取ることはできません。たとえその場の花が桜ではなく、牡丹やバラ、あるいはマリーゴールドであったとしても皆同じこと、その示すところは、「花は咲いて、のち散る」この一事ですから。──


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