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9/11

最悪な合コン

「おい、影山。たまには飲みに行こうぜ。」


ギルド仲間のガラの悪い先輩・マコトが俺の肩を叩いた。


「いや、俺は……合コンとか、向いてないし……」

「そう言うなよ。顧客の秘書の女の子たちも来るんだぜ?お前もたまには普通の青春しろって!」


俺は悩んだ。

最近の不運連鎖で精神的にボロボロだったし、普通の会話くらいはしてみたい。

……そう思ったのが間違いだった。



会場はギルド御用達の高級ラウンジ。

男女4対4のテーブル。

俺は隅っこに座り、存在感を消す。

それなのに、やたらとざわめきが聞こえる。


「……死神来てるじゃん。」

「マジかよ。今日死ぬかもしれん……」

「でも座席替えたら不自然だし……」


女子たちが引きつった笑みで乾杯した。

俺も小さくグラスを上げる。



開始10分。

ウェイターが料理を運ぶ最中、テーブルの脚が微妙にガタついた。

不運な角度でワインボトルが倒れ、隣に座っていた男の手首に直撃。


「あっつ!」

慌てて立ち上がった瞬間、足元に転がっていたナイフを踏み、派手に転倒。

後頭部を打ち、そのまま動かなくなった。


「え、うそ……!?」

「救急車!誰か救急車!」


俺は反射的にスマホを取り出す。


「も、もしもし警察ですか!?……また僕です……!」



救急隊が来て騒然とする中、会を取り繕おうとしたマコトが笑顔で言った。


「ま、まぁこういうこともある!飲み直そうぜ!」


だがその瞬間、シャンデリアが小さく揺れ――

突然ワイヤーが外れてテーブルの真上に落下。

女性メンバーの一人が肩を強打し意識を失った。


「きゃあああああっ!!」


俺はまたスマホを持つ。


「も、もしもし!もう一回です!また……また倒れて……!」


警官が現場に入るなり、俺を見る目が冷たい。


「……またお前か。」

「違うんですって……!」



もはや合コンどころではない。

残ったメンバーは震えながら帰ろうとした。


その時、出口近くの柱が老朽化で崩れ、

二人同時に下敷きになった。


店内は地獄絵図。

俺の手は勝手にスマホを握りしめる。


「……もしもし滝口さん……またです……。」


周囲は完全に俺を“死神”と呼び始めていた。



パトカーに押し込まれ、署に連行される。

取り調べ室の刑事・滝口が机を叩いた。


「影山、お前なぁ……半年でこれで何件目だ!」

「……今日だけで4件……」

「合コンで死人が出るってどういうことだよ!」

「俺も知りたいです……!」


滝口は頭を抱えた。



帰宅後、スマホが震える。


『本日の依頼対象:参加者4名(不正政治家・秘書など)

結果:全員事故死

記録:世界初“合コン同時多発暗殺”認定!』


会長からメッセージが届いた。



◆ギルド会長からの特別メッセージ◆


『影山幸太殿。

一度の会合で標的を全滅させる離れ業、まさに死の晩餐。

合コンの歴史を変える暗殺劇に、心より敬意を表します。

※以後、ギルド主催の飲み会への参加は禁止とします。』



布団の中で、俺は天井を見つめた。


「俺は……もう、合コンには行かない。

普通の飲み会すら無理かもしれない……。」


翌日、SNSのトレンドにはこうあった。

•「死神合コン」

•「一晩で4人死亡」

•「警察110番常連・影山、再び」


もう俺が普通の出会いをする日は来ない気がした。


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