最悪な合コン
「おい、影山。たまには飲みに行こうぜ。」
ギルド仲間のガラの悪い先輩・マコトが俺の肩を叩いた。
「いや、俺は……合コンとか、向いてないし……」
「そう言うなよ。顧客の秘書の女の子たちも来るんだぜ?お前もたまには普通の青春しろって!」
俺は悩んだ。
最近の不運連鎖で精神的にボロボロだったし、普通の会話くらいはしてみたい。
……そう思ったのが間違いだった。
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会場はギルド御用達の高級ラウンジ。
男女4対4のテーブル。
俺は隅っこに座り、存在感を消す。
それなのに、やたらとざわめきが聞こえる。
「……死神来てるじゃん。」
「マジかよ。今日死ぬかもしれん……」
「でも座席替えたら不自然だし……」
女子たちが引きつった笑みで乾杯した。
俺も小さくグラスを上げる。
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開始10分。
ウェイターが料理を運ぶ最中、テーブルの脚が微妙にガタついた。
不運な角度でワインボトルが倒れ、隣に座っていた男の手首に直撃。
「あっつ!」
慌てて立ち上がった瞬間、足元に転がっていたナイフを踏み、派手に転倒。
後頭部を打ち、そのまま動かなくなった。
「え、うそ……!?」
「救急車!誰か救急車!」
俺は反射的にスマホを取り出す。
「も、もしもし警察ですか!?……また僕です……!」
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救急隊が来て騒然とする中、会を取り繕おうとしたマコトが笑顔で言った。
「ま、まぁこういうこともある!飲み直そうぜ!」
だがその瞬間、シャンデリアが小さく揺れ――
突然ワイヤーが外れてテーブルの真上に落下。
女性メンバーの一人が肩を強打し意識を失った。
「きゃあああああっ!!」
俺はまたスマホを持つ。
「も、もしもし!もう一回です!また……また倒れて……!」
警官が現場に入るなり、俺を見る目が冷たい。
「……またお前か。」
「違うんですって……!」
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もはや合コンどころではない。
残ったメンバーは震えながら帰ろうとした。
その時、出口近くの柱が老朽化で崩れ、
二人同時に下敷きになった。
店内は地獄絵図。
俺の手は勝手にスマホを握りしめる。
「……もしもし滝口さん……またです……。」
周囲は完全に俺を“死神”と呼び始めていた。
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パトカーに押し込まれ、署に連行される。
取り調べ室の刑事・滝口が机を叩いた。
「影山、お前なぁ……半年でこれで何件目だ!」
「……今日だけで4件……」
「合コンで死人が出るってどういうことだよ!」
「俺も知りたいです……!」
滝口は頭を抱えた。
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帰宅後、スマホが震える。
『本日の依頼対象:参加者4名(不正政治家・秘書など)
結果:全員事故死
記録:世界初“合コン同時多発暗殺”認定!』
会長からメッセージが届いた。
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◆ギルド会長からの特別メッセージ◆
『影山幸太殿。
一度の会合で標的を全滅させる離れ業、まさに死の晩餐。
合コンの歴史を変える暗殺劇に、心より敬意を表します。
※以後、ギルド主催の飲み会への参加は禁止とします。』
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布団の中で、俺は天井を見つめた。
「俺は……もう、合コンには行かない。
普通の飲み会すら無理かもしれない……。」
翌日、SNSのトレンドにはこうあった。
•「死神合コン」
•「一晩で4人死亡」
•「警察110番常連・影山、再び」
もう俺が普通の出会いをする日は来ない気がした。




