先に君と恋に落ち、数日後に君が事故で死ぬ事が分かっていて僕は君と巡り会う事が出来ないでいる！

作者：七瀬

“僕は少し先の未来が見える！”

僕はステキな女性と恋に落ちて、数日後彼女が事故で死ぬ事が分かっていて

僕は彼女と巡り会う事が出来ないでいた！

確実に彼女は僕の運命の女性だと僕は知っている！

でも僕と出逢った数日後、彼女は事故で死ぬ事も知っている。

それが分かっていて、僕は彼女と出逢う事を躊躇ってしまう。

既に僕は彼女を見つけ出し、遠くからしか彼女を見守る事しかできない！

そんな時、彼女の妹とだという女性に僕は声をかけられる。

【トントン】

『は、はい？』

『“お姉ちゃんの事、ずっと見てますよね？”』

『えぇ！？』

『今だって、お姉ちゃんの事、見てたんでしょ！』

『・・・い、いや、その、』

『お姉ちゃんのなんなんですか？　“ストーカーですか？”』

『それは違います！』

『知り合いの人？』

『・・・い、いや？　それも違います、』

『じゃあ、なんなんですか！』

『“僕の運命の女性なんです！”』

『じゃあ、話しかけたらどうなんですか！』

『それができるぐらいなら、僕だって君のお姉さんに声をかけたいんです。』

『・・・どういう事なんですか？』

『いろいろ事情があるんだ！』

『お姉ちゃん、呼んでこようか？』

『ダメ！　それだけは絶対にダメ！』

『なんでよ！』

『なんでもダメ！』

『“変な人！”』

『そうだな、変な奴だよ僕は、』

『お姉ちゃん喜ぶと想うんだけどな。』

『“この事は二人だけの内緒だよ！”』

『なんで？』

『なんでもだ！　約束だからな！』

『分かったわよ！』

・・・まさか？　彼女の妹に僕は声をかけられるなんて！

やっぱり、“彼女と巡り会う事は避けられないのか？”

それでも彼女の命を守るためにも僕は彼女と会う事は許されない！

僕はどうしたらいいんだ？

　＊

・・・数日後、あってはならない事が僕の身に起きる！

『お姉ちゃん、連れてきちゃったよ！』

『こんにちは！』

『・・・・・・』

『なによ！　嬉しすぎて声が出ないの？』

『なんで連れてきちゃったんだよ！』

『妹を怒らないで！　私が貴方に会いたいと頼んだの！』

『・・・で、でも、そんな事をしたら？』

『何を気にしているの？』

『“僕は君の命を心配してるんだ！”』

『・・・ど、どういう事？』

『僕と君はこの後、恋に落ちる！　そして君は事故で死ぬ運命なんだよ。』

『何言ってんのよ！　そんな訳ないでしょ！』

『本当になるんだ！　僕は少し先の未来が見えるんだよ！』

『大丈夫よ！　私は死なないわ！』

『・・・で、でも？』

『お姉ちゃんなら大丈夫よ！　運命なんかいくらでも変えられるわ！』

『・・・それならいんだけど、』

『心配し過ぎなのよ！』

『・・・・・・』

僕は予定通り、“彼女と恋に落ちた！”

でも？　彼女は何日経っても事故に遭う事はなかった。

“運命は変えられるのか？”

『先生！』

『癌です！　末期で後、貴方の生きられる期間は１ヶ月です。』

『・・・１ヶ月、』

『短いと思うか？　長いと思うかは貴方次第かと。』

『ありがとうございました。』

彼女の寿命が延びた代わりに僕の寿命が消えようとしている。

それはそうだよな、会ってはいけない人と僕は出逢い恋に落ちてしまった！

その代償が、これなのかもしれない！

“でも？　彼女が死ななくて良かった。　いくらでも僕で良ければ僕が彼女の

身代わりになる覚悟は何時でもしていたからな！”

最後まで読んでいただいてありがとうございます。