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【受賞・書籍化&コミカライズ決定】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜  作者: 凛蓮月
エピローグ

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僕の大好きな家族

 

 あっ、こんにちは!

 はじめまして、かな?違う? 僕の事知ってるの?

 こほん、自己紹介からするね!


 僕の名前はジークハルト・ランゲ。7歳だよ。

 ランゲ伯爵家の長男だよ。

 お父様の名前はディートリヒ・ランゲ。

 お父様はすごいんだ。なんでって?

 僕のお父様は騎士団の副団長をしているんだよ。

 それだけじゃない。

 騎士団の中で一番強いんだ。団長さんより強いんだぞ。あと僕にそっくりなんだ。いいでしょ〜、へへん。

 ちなみにね、お父様が強いっていう話の一つに、お母様に危ない事が起きたとき、お父様が助けに来たみたいなんだけど。

 その時敵になってた近衛騎士たちがお父様の強さに惚れて、近衛騎士を辞めて王国騎士団に来ちゃったんだって。

 お父様すごいよね!


 お父様は強いだけじゃなくて優しくもあるんだよ。

 お仕事が休みの時は僕の特訓に付き合ってくれる。僕ね、将来はお父様みたいな騎士になりたいんだ。あとね、お父様は肩車もしてくれるし、お勉強の時も褒めてくれるよ。


 そんなお父様にはね、顔に大きな傷があるんだ。小さい頃はちょっと怖かったけど、お母様がたまに撫でてるのを見て怖くなくなったんだ。

 これは昔隣の国の将軍を倒した時にできたんだって。将軍を倒すとかお父様はやっぱりスゴイや。


 でも、そんな無敵のお父様にも弱点があるんだ。


 え、知りたい?

 ……みんなには秘密だよ?


 お父様の弱点は、ずばり。お母様だよ。

 僕のお母様の名前はカトリーナ・ランゲ。

 すっごく美人で優しくて、たまに一緒にお茶会に行くと羨ましいって言われるんだ。

 でね、お父様と僕が一緒に遊んでいて、はしゃぎすぎて泥んこになったりすると怒られてしまうんだけど。

 一緒に怒られるお父様はしゅん、てなるんだ。

 それからお母様に平謝りする。


「子ども達は良いです。でもディートリヒ様まで泥だらけではありませんか」

「すまない」

「もうしませんか?」

「……多分」

「多分?」

「いや、その」


 そんな事を言いながら仲良しなんだ。

 だって二人、お互いを見る瞳が優しくて、見てるこっちまでニコニコするよね。

 でも時々。……うーん、しょっちゅうか。

 うまく言えないけどお邪魔しちゃいけないような感じになるから、その時はそっとお部屋を出るんだ、っておじい様が言ってた。


 僕のおじい様は国の偉い人なんだよ。

 国王陛下とお友達で一緒にお仕事してるんだって。

 普段はおすまししてるらしいけど、僕たちにはデレッデレでたまに、ちょっと、やめてほしい時もあるんだ……。

 えっ? うーん、嫌じゃないけど。おじい様も好きだしね。


 えっ、おじい様のこと知ってるの?

 そういえば、まだ先の事なんだけど僕たち兄弟の中で誰か一人おじい様のとこに行くかもしれないんだって。

 お母様がお嫁さんに行ったから、おじい様が独りぼっちらしいんだ。


 でも、僕は将来騎士になりたいし、弟のどっちかが行く方がいんじゃないかなぁ?

 ちなみに僕には弟が二人いるんだよ。

 僕の二つ下のランドルフと、五つ下のヴェルナー。

 ランドルフはお勉強が得意だし、ヴェルナーはみんなに笑顔を振り撒いて可愛がられてる。

 どちらかが今のところ有力候補だと思うんだ。

 ……別に、僕がお勉強苦手だから、っていうわけじゃないからね?

 僕は二人のお兄ちゃんだから、守ってあげないといけないんだ。

 もちろん、お母様の事も!

 だから僕はこの家にいて、お父様と一緒にみんなを守るんだ。


 あれ? おじい様のとこに行ったら、守れるかな?

 ……大丈夫、だよね?

 僕には叔父さんもついてる。だから大丈夫、大丈夫。


 え、エライって? あ、ありがとう、なんだか照れるや。エヘヘッ。


 ちなみに僕は弟が二人いて嬉しいんだけど、お母様は女の子がいなくて寂しいみたい。

 いつか妹ができるといいなぁ。

 今度お父様にお願いしてみよっかな。

 そういえば、ヴェルナーがお母様のお腹に来たって分かったとき、二人とも気持ち悪そうにしてたけど大丈夫かな?

 それだけ二人が仲良しな証拠なの? ……そっか、なら良かった。

 もしまた同じようになったら僕がお手伝いしてあげなくちゃ。

 使用人のみんなもお父様とお母様が大好きだから取り合いになっちゃうかも。

 うん、みんな優しくしてくれるよ。

 


「ジーク?」


 あ、お母様が呼んでる。


 ……と、今お話したのはみんなには内緒だからね。

 だって、照れくさいんだもん。


「ジーク、お茶にしましょう」

「はーい!」


 ね、お姉さんも一緒に来る?

 ……いいの? そっか。ううん、大丈夫だよ。


 じゃあ、僕はもう行くね。

 ね、また会えるかな?

 お姉さん、なんだかお母様に似てるからまた会いたいな。

 うん、僕、お母様もお父様も、弟たちもみんな大好きだよ!

 もちろん使用人のみんなも、叔父さんも、ヴァーレリー様も、おじい様も、ひいおじい様たちもね。

 ……うん、お姉さんが『大好き』って言ってたって、お母様に伝えておくね。

 

 それじゃ、聞いてくれてありがとう。

 またね!


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