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やさぐれ
就活
俺の就職活動がうまくいかないのは、ハッキリ言って周りがアホだからだ、と思っていた。
俺は努力家だ。
字の読み書きができるし、魔法もいくらか使える。
独学で魔法の研究もやってきたし、実際に故郷の村では2〜3曲程の魔法を残してきた。後輩のジャコモからもらった尊敬の眼差しは中々に面白かった。
そんな俺が田舎に収まったまんまなんてありえない。
はるばる40日間も歩いて首都までやってきたのだ。
世間に俺のことを認めさせてやらなければ気が済まない。
そうは言ったものの、首都に乗り込んでから既に半年。安定した職には就けていない。
日雇いの荷運びがほとんどだが薄給だ。良い条件となると戦地の方になってくる。ここ10年は戦闘が落ち着いているとはいえ、当然のごとく危険だ。
それ以上に、せっかく都会まで来たのに離れるのが悔しい。