名なし の できそこない
「名なしの星」でしかないクーは、あーあ、とため息をついた。
彼の体は小さくて、まっ黒だ。一応、星のハズなのに、みんなみたいに輝けない。
だから、地上のみんなから名前をつけてもらえず、他の星々から、黒いからクロとか、クーとか呼ばれている。
あるとき、クーは自分に言い聞かせるように心の中でつぶやいた。
「ボクが他の星々のように――ましてや太陽のように輝くなんて、ムリだよ。
だって、あんなにがんばって、自分を燃やしていても、みんな、太陽にはなれない。
同じように、ボクも他の星たち みたいには なれない。
自分を燃やすって、けっこう大変なんだ。みんなのため、とか、言っちゃって、がんばる彼らの気がしれない。そうだろう?」
そうは言っても、やっぱりキラキラと輝く星を見ると、クーはうらやましくて たまらなかった。自分もああなりたいなぁ、と思わずにはいられない。
「いやいや、ボクみたいな まっ黒な石ころが がんばったって、みんなから、「似合わない」「イメージと違う」とか。きっと、そんなことを言われて、おかしなやつって、笑われるだけさ。
……それに、がんばって体を燃やしても、すぐに疲れて、輝けなくなってしまうかも。うまくいかなかったら、と思うと、なんだか怖いし、僕はもう、このままでいいや。まっ黒な小石にしか見えないボクは、星のできそこない。だから、輝けないのも仕方がないよ」
今のままで良い。そうつぶやく彼の口からため息がもれた。
そうやってクーは、みんなを遠くからうらやましそうに見ながらも、自分にはどうせムリなんだから、といつもどおり毎日を過ごしていた。
けれど、ある日、ぼんやりと地上をながめていたら、泣いている男の子が目に入った。