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反少年主義 第二幕  作者: 椎家 友妻
おまけドラマ ある乙女の夏の日
57/66

4 サユキちゃんを呼んではいけない

 まあ、ヨシオがウチをデートに誘うなんてありえへんもんな・・・・・・

ん?でも待てよ?

ヨシオの宿題を手伝うって事は、どのみちウチはヨシオと会わなあかんって事やんな?

で、他には誰も()ぇへんのやったら・・・・・・。

 そう思ったウチは、ヨシオに聞いてみた。

 「それって、他に誰か来るの?」

 『ん?おお、まあお前が手伝ってくれるかどうかは別にして、

シンジ君にも声をかけようと思ってるんやけど』

 「何やってぇっ⁉」

 『お前はオレの鼓膜(こまく)を破ろうとしてんのか?』

 「ち、違う!そうやなくて、ウチ手伝う!ヨシオの宿題手伝うから!」

 『え⁉マジで⁉てっきり断られて説教されるかと思ってた。

この分やとシンジ君も手伝ってくれるかもしらんなぁ』

 「あかーん!」

 『何やねんお前は⁉逐一(ちくいち)声がでかいねん!ホンマにオレの鼓膜が破れるやろ!』

 「あ、ご、ごめん。そういうつもりやないんやけど、

とにかく!サユキちゃんを呼ばんでも、ウチ一人で十分やと思うで?」

 『そうかぁ?まだかなり残ってるんやぞ?漢字の書き取りとかもあるし』

 「大丈夫!ウチ頑張る!」

『そ、そうなん?それはまあありがたいんやけど、

何でオレの宿題にそこまで一生懸命になってくれるんや?』

 「なっ⁉べ、別にあんたのために一生懸命やるんとちゃうわ!」

 『えっ⁉オレ以外のためにオレの宿題を手伝う理由って、他にあるんか?』

 「うるさーい!そんなん言うんやったらもう手伝ってあげへんで⁉」

 『あ、いや、オレが悪かった。何でオレが悪いのか分かれへんけどとにかく悪かった。

だからそんな事言わずに、オレの宿題を手伝ってください』

 「しゃあない、そこまで言うなら手伝ってあげる」

 『頼むわ』

 「サユキちゃんは呼ばんでええからな」

 『ええけど、お前シンジ君と喧嘩でもしたんか?』

 「そ、そんな訳ないやんか!それよりも!あんたの家は何処なんよ⁉

行った事ないから知らんねんけど!」

 『おお、そういえばそうやなぁ。じゃあどっかで待ち合わせするか?』

 「する!」

 『庵地(あんち)駅でええか?あそこなら分かりやすいやろ?』

 「うん!」

 『何かえらい気合い入ってんなぁ、まあええけど。

それじゃあ午後一時に庵地駅で待ち合わせでええか?』

 「分かった!絶対行くから!」

 『そ、そうか。じゃあ一時な』

 「うん!」

 そしてウチは電話を切った。

 午後一時に、駅でヨシオと待ち合わせ。

これってまるで、デートみたい・・・・・・。

 「キャーッ♡」

 思わずソファーに寝転んでクッションに顔を埋め、両足をバタバタさせるウチ。

って、別にヨシオと会えるのが嬉しいんとちゃうんやで⁉

この動きはアレや、その、水泳のバタ足の練習。

 などと自分に苦しい言い訳をしていると、プルルルルと、持っていた電話が鳴った。



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