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反少年主義 第二幕  作者: 椎家 友妻
其の四 彼女の家庭事情
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10 侵入者

 「な、何?ヨッシー、これって何やの?」

 周りをキョロキョロ見回しながら、レイコがオレに尋ねる。

でも俺だって、一体何が起きたのか分かるはずもなかった。

するとその時、

 バン!

 と、乱暴に部屋の扉が開け放たれた。

反射的にそっちを向くオレとレイコ。

するとそこに現れたのはカスミでもナミコさんでもテイコさんでもなく、

全身を黒タイツで包んだ、超怪しい二人組の人物やった。

部屋が暗いのでよく見えへんけど、一人は背が低くて小太りで、

もう一人は背が高くて体格がガッチリしている。

まるでオールハ○シンキョジンみたいな二人組や。

しかしその二人が漫才を始める事はなく、背が低い方の人物がこう言った。

 「あ!()った!」

 居った?それは誰の事や?

と思っていると、今度は背の高い方の人物がこう言った。

 「よっしゃ!連れて行くぞ!」

 声の質からして二人とも中年のおっさんみたいやけど、この二人の目的がもうひとつ分からへん。

するとその間に黒タイツの二人組は、予想以上にすばやい動きでオレとレイコの近くに駆け寄ってきて、

背の高い方のおっさんが、レイコの両腕を掴んだ。

 「キャッ⁉ちょっと何するんよ⁉」

 そう声をあげて抵抗しようとするレイコ。

すると背の低い方の男が尻のポケットからハンカチのような布切れを取り出し、

それでレイコの口元を押さえた。

するとレイコはたちまち気を失い、その場に膝から崩れ落ちた。

 ていうか、何なんやこの状況は?

何でこんな事が起こってるんや?

 あまりに突然な出来事に、オレは頭の中が真っ白になってしもうた。

すると背の低い男がオレの方に振り向き、レイコの口にあてていた布切れを今度はオレの口にあてがった。

 「うっ⁉むぐぐぐ・・・・・・」

 口元を押さえられ、もがくオレ。

すると次の瞬間、

鼻の中に妙に甘い香りが流れ込んできたかと思うと、

オレはそのまま、

気を失った・・・・・・。

 バタン。


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