表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反少年主義 第二幕  作者: 椎家 友妻
其の三 望まざる再会
22/66

3 父方の祖父が物凄いお金持ち

 そんなやりとりを経て、オレとカスミは二人で屋敷を出た。

 屋敷を出ると、相変わらずバカでかい庭園が目の前に広がっていた。

そのはるか向こうに見える門までたどり着くには、歩いてざっと十分くらいはかかりそうや。

でもまあ、別に急ぐ用事がある訳でもないし、カスミも体調は良いと言ってるから、

のんびり歩いて門へ向かう事にした。

 「ヨシオ君、すみません」

 二人で歩きだすと、カスミが申し訳なさそうに言った。

何がすみませんなのか分からないオレは、カスミに問うた。

 「すみませんって、何が?」

 「テイコさんの事です。あの方は、私の事となると頭に血が上るクセがあって、

それでヨシオ君にあんな事を・・・・・・」

 「ああ、別に構へんがな。それだけテイコさんはお前の事を心配してるんや」

 オレは右手を横に振りながらそう言ったが、

それでもカスミは申し訳なさそうな顔をするので、話題を変える事にした。

 「それにしても、カスミの家ってホンマにでかいよなぁ。

カスミのご両親って、二人で相当稼いでるんやな」

 するとカスミは首を横に振ってこう答えた。

 「いえ、このお屋敷を建てたのは両親じゃなくて、父方の祖父なんです」

 「カスミのおじいちゃんか」

 「はい。私の祖父は、世界で最大手の船舶会社の会長をしていまして、

今は祖母と一緒にイタリアに住んでるんです」

 「世界を股にかける大金持ちっちゅう訳かい。道理でこんなごっつい屋敷を建てられる訳や」

 「でも私のお母さんは、いつもボヤいていますけどね。

『こんなだだっ広いお屋敷、出入りするだけでも大変だわ』って」

 「それは確かに」

 とかいう話をしているうちに、ようやくヤマトウ家の門までたどり着いた。

そしてその脇にある通用口の扉を開け、オレとカスミは屋敷の外に出た。

と、その時やった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ