十四話 動物会話
(まぁ、ここに参った客人に何もないは無作法というもの。見るが良い、これが我の眷属。ケルベロス‼︎)
そう声の主は声高らかに叫び部屋の中なのに強風が吹き荒れてきた。
ポスッ、フッフッフッフッ
強風が吹き終わったと思えば一つのぬいぐるみがどこからともなく落ちてきた。
そしてぬいぐるみはこちらに向かって子犬のようにゆっくり走って来る。
「ぬいぐるみやん。犬の頭三つ着いたぬいぐるみやん」
「トキマサさん。油断しないで、もしかしたらもの凄い攻撃を……」
ケルベロスとか言われているからな。
こんな小さい形をしながらも名の通り強モンスターなのかもしれない。
攻撃もして来る気配もなく尻尾を振りながら近づいて来るケルベロス。
これは敵に対するデバフなのか何故かこちらも愛着が湧いて来る。
「可愛く動くぬいぐるみやん。ほら、こっちおいで」
街中で紐を付けられた人懐っこい犬を誘うように言ってみると。
「キューキュー」
喚く事も攻撃する事無く可愛く泣きながら俺の腕の中に入ってきた。
「おおお、良い子良い子。かわええなぁ、え〜」
一応、噛んではきているのだが甘噛みというやつで痛くないぐらい。
ぬいぐるみだが本物の犬のように可愛い。
(「えええええーー‼︎」)
ゼアミと声の主が声を合わせて驚嘆。
特に声の主はケルベロスに対して自信満々だったのかその落胆具合が声に出ていた。
「そんな、我が眷属が。最も忠誠を誓っていた我がケルベロスがやられるとは」
忠誠の"ち"の字も知らない感じで寄ってきて懐いているのだが?
現在進行形で服従の行動である腹を見せてハハハしているのだが?
冥界の番犬の名前をつけるならもうちょっと調教をしなければならない。
「いや、すぐ尻尾振って俺のこと気に入ったみたいやねんけど」
結果的にどうやら俺に懐いたご様子で。
そんな様子を見ていたのか声の主は少し落胆した溜息をついてからまたもや自信満々に叫ぶ。
「ふっ、まあ良い。我には奴がおる。行け、キメラーーー‼︎」
またもや合成獣の名に相応しいモンスターの名を叫ぶ。
ポスッ、フッフッフッフッ
が、先ほどのケルベロスと同じ。
うん、知ってた。
色々な生地のツギハギが入ったライオン型のぬいぐるみが落ちてきた。
キメラが元なのかヤギの頭と蛇のぬいぐるみを繋げているのかこの二頭も動いている。
「こいつはこいつでかっこ良いな。ほら、こっちおいで。撫でてやるさかい。おお、良い子良い子」
クルルルルークルルー
甘い鳴き声を出しライオンの立髪、山羊の角、蛇の頭が俺にスリスリ擦って懐いている。
幻想の動物を見て興奮しない男子はいない筈。
それも見ていた声の主はまたもや落胆した。
ケルベロス、キメラと声高らかに自信満々に叫んでおいてこの結果だからな。
自信があるのは分かるがもう少し調教の勉強が必要そうだな。
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