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優美とデート

 僕は日曜日の10:00からずっと玄関にいる。待ち合わせ時刻は10:30。昨日家族と出かけたので、今日は優美と会うのだ。久しぶりに彼女がうちに来るので緊張する。とは言え彼女の家と僕の家は僅か100m程だ。そんなに遠くない。それでも高校に入ってからお互いの家に行かなかったのは……何でだろう? 僕は気恥ずかしかったからだが、彼女もそうなのだろうか。そう思っていると、チャイムが鳴った。来た!


「はーい」


「ちわ。宅配便でーす」


 僕はガクッとなった。そういうの要らないから!


「山中さんですか?」

「山中さんは斜めの家です」


 しかも間違えてるし。それから15分後、またしてもチャイムが鳴った。僕はドキドキしながら開けると、そこには白のワンピースを来た女子が立っていた。


「よ、よう」

「おう」


 いつもも可愛いが今日は一段と可愛らしい。


「どう、かな?」

「ま、まぁ悪くないんじゃね?」

「そ、そう……」


ぐおーーーーっなんだこの可愛さは!? 僕は幸せ過ぎて死ぬのか? 死ぬのか!?


「で、どこに行く? 洋輔」

「えっと、まずは駅前に行って喫茶店でご飯を食べて、カラオケ行く感じ?」

「そ、分かったわ」


 彼女は何かいつもより乙女らしく見える。何でだろう。ワンピース効果かな?

 そして二人で最寄りの駅に歩いて行く。


「……」

「……」


 何も思い浮かばない。な、何を喋ったら良いんだ……?


「あのさ……」

「ひゃい!!」

「何!? どうしたの?」

「いや、改まって一緒に出かけるのは緊張しちゃって」

「何でよ? 登下校大体一緒に行ってんじゃん」

「それはそうだが。どうもな何か非日常みたいで」

「ふーん、なんかよく分からないけど」

「……」

「それはあれじゃないかな。私に見栄張っちゃってるからじゃないかな?」

「え?」

「私の前では無理に張らなくて良いよ」


 こいつの前で見栄を張っている? まぁ、確かに格好悪い所は見せたくないとは思っているが……。


「私はあなたの色んな面を見たいなぁ」

「え?」


 僕はドキッとした。漫画やアニメ、はたまた二次創作や同人……。いやいや漫画やアニメはともかくエロ同人誌を見せる訳には……。僕は彼女の方を見る。彼女は優しく微笑む。

 彼女はそれも認めてくれるだろうか。そうしたら僕達は……いやいや、それ以前に僕は彼女とつり合っていない。だから僕は……


「何デート中に陰気くさくなってんのよ? 止めてよもーっ」

「え? あぁ。ごめんごめんっ」


 そして駅に着き目的の駅まで汽車で行く。その間はお互い静かにいた。そして駅前に着いた。


「久しぶりに来るわここにーっ。相変わらず寂れているわね」

「おい、そう言うなって」

「まあ、冗談よ。さて喫茶店に行きましょう」


 そして二人で喫茶店に向かう。注文をしてご飯がくる間、僕は漫画を読む。


「ねぇ。話しましょーよ」

「だってお互いの趣味が……」


 そうお互い趣味が違う。彼女はどちらかと言うとスポーツしたりアウトドア派で僕はインドア派だ。


「漫画くらい読むし」

「けどお前は少女漫画派じゃないか」


 そう言うと彼女は少し胸を張る。


「最近少年漫画も読むわっ」

「え? そうなのか?」


 そして少年漫画の話をする。


「だからこうなる訳よ」

「なるほどねーっ。で、彼女はどうなるの?」

「それは来週の楽しみだな」

「あっ、そうだったわね」


 僕は嬉しかった。リアルでここまで話せる、特に好きな相手と。


「いやー、優美がここまで話せて良かったよっ」

「なんで?」

「そりゃあネットのやり取りも良いけどやっぱりリアルでの方が楽しい」

「普段家ではどういうことをしてるの?」

「そりゃあ家では……」


 はっ、待てよ。ツ〇ッターやってるって言ったら僕のアカウントバレないか。本アカはまだしも裏アカは恥ずかしい。


「ね、ネット徘徊だよ」

「ふーん、そ……」


 彼女はなぜか素っ気ない反応だった。そしてご飯が来たから食べて、カラオケ店に行った。流石は今の子、今の曲を歌う。しかも上手い。そして僕は’80~’00までの有名な曲を無難に歌う。そして2時間お互いに歌い続け、カラオケを終えた。


「あー、気持ちよかったーっ。いっぱい歌うとスッキリするわねっ」

「お前にストレスなんかあるのか?」

「そりゃあ学校や部活の人間関係のストレスくらいあるわ」


 そうなのか。何でも出来る彼女にも苦労はあるのか。知らなかったな。そして駅に行き、最寄りの駅まで帰った。


「今日は楽しかったわ。ありがとう」

「うん。こっちも楽しめた」

「ところでさ洋輔」

「何だ?」

「あのさ……」

「?」

「……」

「?」

「うんうん何でもないまたね!」

「お、おう」


 そして僕は家に帰り、喜びの内容を裏アカにツイートした。そしたら『ポムポム』さんからコメントが来た。

『良かったですね』

『はい、ありがとうございます』

『彼女は喜んでましたか?』

『はい、多分』

『やっぱりそれなら多少なりとも脈はあると思います』

『そうですか?』

 僕はついにやけてしまう。

『ところでヨウさん。一つ質問大丈夫ですか?』

『はい、何でしょう?』

『彼女のことちゃんと理解してあげてますか?』



 え?

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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