葛藤
携帯を取られた僕は授業が暇すぎて午前中は耐えれたが昼はご飯を食べたお陰で寝た。
「ようくん遊ぼーっ」
「ゆうちゃん待ってよーっ」
小さい少女と公園で遊ぶ。
「もう待てってばーっ、ゆうちゃーん」
「待ったないよーっ」
そして僕は彼女の後ろを追いかける。小さい頃は成長が早いのか少しだが足が早い。
「……輔、う輔」
「……うっ」
「洋輔ってばっ!」
「はっ!」
「もう授業終わってるわよ!」
「え? あぁ、そうか……」
夢か。
「もうよだれ垂らして汚い」
「え、あっ」
僕は気恥ずかしくて急いで拭いて、トイレに向かった。そして軽く顔を洗い、教室に戻ると彼女は僕にスマホを返した。
「はい」
「え? もういいのか?」
「大丈夫だったから返すわね」
「え? あっ、うん」
(大丈夫って何だ?)
「もう授業中にスマホいじらないこと分かった?」
「はいはい」
「けど寝るんなら意味ないわね。どっちが良いのやら」
「う……」
「ところでさ洋輔」
「何だ?」
「あんたって好きな人に告白とかしないの?」
僕はぶっと吹いた。
「なんだ!? いきなり突然!?」
「青春したいって言ってたじゃん」
「それは確かに言ったがーっ」
「ねぇ、どうなのよーっ」
「そ、それは……」
そんな恥ずかしいこと……ん?
「お前に僕が好きな人いるって言ったことあったか?」
「え? ……あっ、えーっと、まぁ幼馴染みなんだしそれくらい分かるわよっ」
(幼馴染みすげーな。僕は優美のことそこまで分かんねーぞ)
「ま、とにかく好きな人には好きって言った方が良いわよ」
そして彼女は自分の席へと戻って言った。あいつがそんな簡単にそんなことを思うのは僕のこと興味ないってことかな? けどあいつは知らないんだろうなぁ。僕がお前を好きなことをとしょげながら思った。
そして学校を終え部活終わり、SNSを見ると『ポムポム』さんが僕のフォロワーになっていた。僕もその人をフォローした。歩いて帰っていると『ポムポム』さんからDMが来た。
『こんにちはー』
『こんにちは』
『どうですか? 好きな人との進展は?』
『うーん、変わらないですね~っ』
『そうですか。じゃあここでまだ呟くくらいなんですね』
『そうですね』
『彼女のどういうところに惹かれたんですか?』
『やはり魅力的だからかな?』
『どんな感じで?』
『ツンデレの所はあるけど、外見も中身も僕のドストライクだから』
『ふーん、そうなんだーっ』
『そして男子によくもてる』
『あ、そうなんですねっ』
『だから僕みたいな奴では彼女とつり合わない……』
『なるほど、そんなことを思ってたんだ』
『あぁ、済みません。見ず知らずの人にこっちばかりがべらべら喋ってしまって』
『いえいえ。大丈夫ですよ~っ』
『ありがとうございます』
『彼女とは何年の付き合いですか?』
『かれこれ10年ですね』
『そんなに彼女と仲良くいられるなら経験的に思うのですが、それは明らかに彼女と親しい関係です。だから一度デートに誘ってみてはいかがですか?』
『しかし男して見てないかも……』
『デートなら異性も友達も関係ないじゃないですか』
『ポムポムさんは女性なんですか?』
『うん、まぁそうですね』
『そうなんですか。分かりました。一度誘ってみます』
そして家に着いて、部屋に入り優美にチャットする。そうしたらすぐに返事が来た。
『どうしたの?』
『あのさ優美』
『?』
『電話していい?』
『え? うん別に構わないけど?』
僕は正座しながら彼女に電話した。
『はいはーい』
「あ、あのさ優美」
『何、どうしたの改まって』
「この前映画行けなかったじゃん」
『うん』
「だからさそのお、お詫びも兼ねてさ……」
『……』
「今週の日曜、どっか遊びに行かないか?」
『どこに行くの?』
「えっ」
(勢いで連絡したから、そこまで考えてなかったーっ!!)
「えっ、えーっと、そのっ」
『……』
「う、うち来る!?」
『え? 洋輔ん家!?』
「ほら子供の頃よく一緒に遊んだじゃん」
『遊んだけど……』
「高校になってからうちに遊びに来たことないだろ!?」
『……そうね。中学2年生の夏休みから行ってないわね』
「お前ん家から近いから親御さんも心配しないだろ?」
『うーん、そうかもだけど……』
「どう? 嫌なら構わないけど」
『遊ぶのは良いんだけど……。家は緊張する』
「え? あっ、そうだよね。年頃の二人が家で遊ぶのは緊張するかっ」
『……わかった。とりあえず久しぶりに洋輔の家に行くからそれから二人で予定を考えよう』
「お、おう了解」
『じゃっ』
「おう」
あれ? これってデート成功じゃねっ!? やったーと喜んで立ち上がったが、脚が痺れてたのでこけた。そしてしばらく部屋ではしゃいだ後に宿題をした。
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