アカばれ
さて今日も趣味から彼女のことまで色々呟こう。と、その前にフォローしている人達のも見るか。そして僕はSNSで様々な人が呟いている内容を見る。
『これはこうなんだから、こうすべきじゃないかな?』
『この作品見ると面白すぎて最後まで見てしまう』
みたいな思わず賛同してしまう内容や、
『この顔やばww』
と言った面白画(映)像まで、どれも面白い内容だ。皆上手いこと書くなぁー。僕も頑張ろう。
『彼女の横顔まじ卍ーっ』
(やっぱ面白く書くの難しいなーっ)
そう思っていると、『ポムポム』さんからコメント来た。
『どういう意味?』
自分で書いておいて僕も意味が分からなかったので普通にコメントした。
『僕もよく分かりません』
「よし、授業始めるぞーっ」
国語の授業が始まった。暫く授業を聞いていたがやはり古文、何を言っているのかよく分からないので眠たくなる。暇なので机の下でスマホをいじる。
『授業暇ー』
とSNSに投稿した。他のツイートを眺めていると、面白い内容があるからつい笑いそうになる。しかし先生にバレたらスマホを取られるかもしれない。気をつけつつ見ていた。そして長かった授業が終わり伸びをしていると、優美が顔の正面をあまりこっちに向けず横からすっと来た。
「あんた、授業中スマホいじってたでしょ!?」
「ど、どうしてそれを!?」
僕は廊下側から2列目、彼女が5列目で明らかに僕と彼女との席は遠い。
「下向いてにやにやしていたからよ」
「え、でも……」
彼女は前の方の席、僕は後ろの方の席に座っている。
「お前授業中にわざわざ僕の方を見たのか?」
そう言うと彼女は急に赤面し、
「ば、違うわよ! それはその……あれよ! 偶々消しゴム落とした方向が貴方の席の方だったの」
「はぁ」
「とにかく授業中にスマホはいじらないこと! 分かった!?」
「え? まぁ……」
そして彼女はとことこと友達のいる席へと去って行った。
(なんだったんだ。一体?)
昼休み、僕は友達とご飯を食べる。いつも木下と松野の計三人でだ。
「なんか松下の奴彼女にアカウントバレたらしいぞ」
「えーっ、まじかよーっ」
「結構、そのアカウントで彼女の悪口書いたみたいだ」
「あー、それはひでーーっ」
「バレた理由は松下のアカウントが彼女さんのツイッ○ー上に表示されたらしい」
「え? なんでそんなことになんの?」
「なんか、お互いが電話登録しているとそうなるそうだ」
「そ、それから松下はどうなったんだ?」
「そりゃあ、修羅場で彼女さんが松下のアカウント監視よ」
「ひえーーーっ」
僕はその話を聞いて少し気を付けようと思った。しかし別に僕はバレる要素はない。なんたって特定される要素がないからだ!
そしてご飯を終え面白いネタを見るべくツイ○ター徘徊をした。そうしたら、『ヤマ』さんという人のツイートで、
『やっぱかけ恋まじさいこーだな。全巻買っちゃった』
僕はこの内容に感化されリツイートした。
『まじさいこーですよね。僕も最新号見てます。あの二人のドキドキがたまんないですよね』
『分かりますーっ』
『そしたらライバル出てくるし先が待ち遠しいです』
『そうです。んでライバルも悪い奴じゃないんですよねーっ』
『そうなんですよ。だから僕は凛香ちゃん派です』
『そうですよねー、分かります』
そしたらポンと『ポムポム』さんからコメントされていた。
『凛香ちゃんのどう言うところが良いんですか?』
『そうですねーっ。素直で優しいところかな?』
これ以上のコメントはなかった。そして学校が終わり部活を終えて帰っていると、『ポムポム』さんからコメントが来ていた。
『ところでどんな女子がタイプなの?』
『そうだなーっ、優しくて元気な子かな?』
そう送りながら歩いて帰っていると、少しして後ろからはぁはぁと声が聞こえてきたので、振り返ると優美が走っていた。
「どうした優美? 走って来て」
「偶々あんたを見かけたから追いかけただけよっ! 他に理由なんてないんだからっ!」
「はぁ。別に聞いてないけど」
「でそれより洋輔さー、今週の土曜日の昼映画行かない?」
「え? それって……」
「そう。BACK TO THE PASTの続編よ」
「おーー、行く行くーっ」
「そう、それは良かったわ!」
「あれ? けど優美にこれ好きって言ったことあったっけ?」
「え? ……あ、あれよ。あんた洋画好きじゃない。だから行くかなーっと思ったの!」
「おー、行く行く。サンキューな!」
彼女と一緒にニコニコした。という訳で今週の土曜日の昼に好きな彼女と映画に……
「あーーーーーーー!!!」
「な、何よ!?」
「今週の土曜日は家族と出かけるんだったっ」
「え!?」
「優美、ゴメン! またの機会にっ」
「わ、私より家族を取るの!?」
「先約だから」
「~~~せっかく素直に言ったのにーーーっ、洋輔の馬鹿ーーーっ!!!」
「優美ーっ!」
そして彼女は急いで走って帰った。
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