表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8


ルナテリアの街に降りたソフィアは、さっそくメモ通りに買い物を始めていた。

人が賑わうルナテリアの街に、ソフィアは高揚した気分を抑えられずにいる。海が近いお陰で海産物も豊富だが、畜産物も豊富であるため、王都から買い付けにくる商人も多い。そんな訳か、メインストリートは毎日のように人が多いのだ。



「やっぱり何度来ても、まるでお祭りのようですね。ああっ!おいしそうなケーキ!ああ、パンもすごくおいしそう!それにあの焼いたお魚もいい匂い……」



ソフィアは思わず寄り道をしそうになるが、寸前で「帰りが遅い!買い物もまともにできないのですか!!」というナターシャの怒号が脳裏によぎる。

その瞬間、ソフィアの顔はサーっと青ざめ、元の進路に戻り果実屋を目指した。


その途中、果実を運ぶ荷馬車が前方にあるのを見つけ、とれたての輝くリンゴを見たソフィアは嬉しそうに荷馬車を追いかける。おそらく果実屋に納入される前の新鮮な果物だろうと推測したのか、1番に購入してやろうという意気込みで顔をギラつかせる。



「あの光り輝く新鮮なリンゴ!エドワード様も喜びます!1番にゲットするのです!きっとナターシャ様も褒めてくれるはず!」



ソフィアが荷馬車に追いついたところで、突如荷馬車を引っ張っていた馬が甲高い鳴き声をあげながら暴走を始めた。いきなりの馬の暴走に、周囲の人々は叫び声を上げながら逃げていく。



「オイオイ、一体何だ、どうした!?普段は大人しい馬だってのに!!!」



御者も突然の馬の暴走に、驚きを隠せず手綱を強く引き止めようとするが、馬の激しい抵抗に遭い振り落とされた。

子の手を引く母、慌てる王都の商人、買い物に来たお客達は皆悲鳴を上げながら逃げ惑う。

ソフィアは慌てて追いかけ馬の様子を後ろから見ると、ある異変に気付いた。



「このお馬さん何だかおかしいですね……何か変な魔法をかけられてます気がします。明るい青色……シアン?」



馬全体を包む青色の魔力を察知したソフィア。



「キャア!!誰か、うちの子を助けてー!!」


「!?」



ソフィアは、子どもとはぐれた母親の叫びを聞き無我夢中で走る。暴れ馬の目の前には、4歳ほどの女の子が恐怖からか動けずにいた。このままでは間に合わないと考えたソフィアは、星石(ステラ)が埋め込まれたネックレスを握りしめ小さな声で呟く。



「星の契約者、ソフィアが命じる。緋色(スカーレット)よ、我に力を」



ソフィアの言葉に反応するように、星石がやがて緋色の鮮やかな色を放つ。その光は、目立たんとするソフィアの手の中で煌めいた。

ソフィアは華麗に宙を舞い馬に跨ると、馬に魔力を流し込み気絶させる。魔力を持たない動物は魔法の影響を受けやすく、操られ易いのが特徴だが、ソフィアは馬を操るエネルギーを相殺するように自身の魔力を注ぎ込んだため、綺麗に魔力を打ち消すことができた。


馬はピタリと動きを止め、その場に転がるように眠りにつく。魔力を持たぬ動物は弱く、耐性がないため気絶し易い。


馬が倒れた衝撃で積荷は横に倒れ、リンゴは地面に大量に転がった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ