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夙さんごめんなさい

テーマ

「アイドル、歌、ライブ」

夙多史さんのSSのキャラをお借りした二次創作です。

(小説家になろうに該当のSSはありませんが……)

https://mypage.syosetu.com/126722/

ある初夏の日の四畳半、二人の男が床に寝転がっている。さらに言えばその二人は体重が百五十キロの巨漢である。面積あたりの人数で表される人口密度はそこまでの大きさではないかもしれない、しかし、単純な密度でいえばこの空間は次元が捻れてしまうのではないかと錯覚するほどに圧迫されていた。

「あぢー……冷房つけましょうよ……」

隆志がもう限界だと言わんばかりに勝人へ呟く。初夏の陽気……とはとても思えぬ不快指数。しかし冷房をつけられない訳があるのだった。

「忘れたのか……冷房はオーバーヒートを起こし、古い型のために修理が出来ないとメーカーに言われたことを……」

二人は改めて絶望する。初夏にこの地獄なら真夏にはどうなるのかという現実、そして新しいエアコンを買う金のない自分たちの甲斐性に。

外からドタドタと騒々しい足音が聞こえる。足音で昌義が帰ってきたと二人は確信した。そしてまた絶望する。部屋の密度と不快指数が上がることに。

「ニュースニュース! 大ニュースっすよう!」

ドアを開け放ち汗を辺りに放ちながら昌義は言い放つ。汗でびっしょりしっとりと濡れた一枚のチラシをアピールしながら続ける。

「商店街がご当地男性アイドルを募集してるっす! 賞金10万円、そして副賞に最新型エアコンが貰えるっす!」

「何い!? やるしかねえな!」

「えー……俺たちにそんなのできるっすかねえ……」

ノリノリの勝人とは対照的に隆志は消極的だ。昌義はチラシを握り締めながら答える。

「何を言ってるんすか!? デブは結構歌が上手い、これは世界の摂理っす! 俺たちだってアイドルやれるっすよ!」

その通りだとばかりに隆志も頷くが、苦言も呈した。

「そう、歌は問題ない。だが……」


「ダンスが問題だ」


三人はううむと腕を組み悩む。沈黙を破ったのは隆志だった。

「とりあえず踊ってみましょうよ! 俺たちのハートと食欲をダンスにぶつけて自由にやってみるっす!」

そうだ、その通りだ、と二人も納得し、みんなでライブさながらに踊り始めた。

四畳半に響く不格好なステップ、飛び散る汗、自然と口から漏れるメロディ、飛び散る汗、観客を煽るパフォーマンス、飛び散る汗……


「うるさいんだよあんたたち!!」


玄関のドアが蹴り破られ、一人の若い女性が怒髪天を衝いた様子で突入してきた。


「「「げっ!? 大家!?」」」


「おらデブども! この暑い日に何をバカなことをやってんだい!?」


三人は四畳半にシュンと正座し、アイドルデビューを考えてると説明をした。それは聞いた大家は呆れてこう言った。


「まったく……こんな暑い部屋に居続けるから頭がおかしくなりかけるんだ。私の貸してる部屋で熱中症になって倒れられても気分が悪い。うちに来て冷たい茶でも飲んでいきな」


「大家さん……」

「本当は俺たちのこと……」

「ていうか部屋の備品なんだからエアコンなんとかしてよ」


「ああっ!?」


「「「ひいっ!?」」」


……to be continued?

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