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flavor6

 運命なんてこの世にない。


 あるわけない。


 どうして、こんなに私が傷つかなくちゃいけないの?


 どうして、人は裏切るの?


 もう、この悲しみは重すぎて。


 絶えられないよ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 9、人間という存在


 私は屋上に着いた。


 大きく広がる曇り空。


 もう少しで雪が降るよ。


 そう空が教えてくれているよう。


 私は何万人何億人の中の一人。


 私が消えたって何もない。


 ねぇ、私はこの世にいらないよね?


 私は空にそう聞いた後、屋上の柵を越えようと手をかけたとき。


「何する気?」


 後ろから懐かしく思えるほどの古く感じる声が聞こえてきた。


 この人がいつも隣にいたのかもしれない。


 私ってバカだ。


「何って…私が消えても誰も害はうけないんだからいなくなってもいいじゃない!!もう傷つきたくないよ。」


 私はいつのまにか頬に雫が伝っていた。


 ああ、これが苦しいって気持ちなんだ。


「学校が害をうけるじゃん。お前の女子の友達とかが傷つくじゃん。これでも害はうけないっていうの?あんたには死ぬ権利なんてないよ?」


 黒浜はあぐらをかいて頬杖をつきながら睨んできた。


 私は殺気を覚えた。


 初めての怖い顔。


「何があったか知らないけど。いなくなって償うなんてなんないからね。あんたはそこまで傷ついてないでしょ?」


 呆れているのか、ため息をついた。


 私は歯を食いしばった。


「誰のせいだと思ってるの??!!!あなたが…あなたがあの時に…」


 私はそれ以上言葉を発せなくなり座り込んでしまった。


 これ以上言おうとすると声が震える。


 体が小刻みに震える。


 怖い。


 あのときのと似ている。


 でも、何か違うんだ。


 ああ、わかった。


 君が私のことを抱きしめてくれていることだ。


 微かに香る淡いタバコの香り。


 この香りが私を狂わせる。


 ああ、やっぱり、私あなたが好き。


「話せないんだったら話さなくてもいい。でも、話せるのならゆっくりでいいから話してほしい。」


 黒浜は悲しそうにつぶやいた。


 黒浜。


 君のことだよ?


 でも、やっと、わかった気がする。


 ちゃんと向き合っていかなきゃ。


 君に正直にならないと。


「私、あなたのことが好き。」


 私ははっきり言った。


 だって、ここで立ち止まったらもう身動きができなそうなんだもの。


 黒浜は驚いたのか私の背中に回していた腕がほどけた。


 黒浜は唖然としてる。


 気づいてなかったんだ。


 あんなに君に「好きだよオーラ」を出していたかもしれないのに。


「でも、私、知ってるの。あなたが他の人を好きでいることを。」


 私はあの時のことを思い出しながらつぶやいた。


 君は他の人が忘れられないでいる。


 苦しんでいる。


 そんなこと、気づいてるわよ。


 私は心の中で落ち込んだ。


「……忘れられないんだ。あの香り、あの顔、あの声、あの唇。すべてが好きでしょうがなかった。今も忘れられない。あんなに好きだった。あんなに思ってやってたのに。いきなり…。」


 黒浜手で涙を隠しながら座り込んでしまった。


 すごいつらかったんだね。


 そんなに思ってるんだね。


「でも、あいつ来月に結婚するんだと。」


 黒浜は泣きながら苦しそうに言い放った。


 すごく悲しそう。


 ねぇ、私じゃ黒浜のこと支えられない?


 キュッ


 私は黒浜の左手を握り締めた。


 君にこの気持ちがわかってほしくて。


 私もそれくらい君のことを思っているから。


 ねぇ、好きだよ?


 黒浜。


「俺ってかっこ悪いよな。」


 黒浜は笑いながら泣いていた。


 私はそんなつらそうな黒浜にただ、首を横にふることしかできなかった。


 手を握ることしか、できなかった。


 私のほうがかっこ悪い。


 頬を伝う涙。


 冷たくてあたたかい。


 不思議な光景だった。


 夢みたいだった。


 あなたがそっと私の右肩に頭を乗せて、手を繋いでいたから。


 ねぇ、私、あなたのことを好きでいていいの?


 私が何か言おうとしたら…


「しばらくこのままでいてくれ。」


 ってつぶやくから。


 私は身動きができなかった。


 でも、触れ合ってる感触がなんとも言えぬ心地よさで。


 君から離れたくないって思わせるんだ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 10、本当の気持ち


 翌日…


 天気は晴れ。


 心は曇り空。


 あの返事をきけていないから。


 心がモヤモヤしている。


 もう少しで雷が鳴りそうです。


 だって、数学の時間にずっと藤木先生のこと見てるんだもん。


 私は藤木先生を見てる、黒浜を毎日嫉妬をしながら眺めてます。


 やっぱり諦めがつかないのかな?


 黒浜。


 私は正面に向き大きくため息をついた。


 あのときのは一体なんだったの?


 ああ、やっと、わかった。


 藤木先生だと思い込んでたんだ。


 何か、今になってバカらしく思えてきた。


 何だ、藤木先生だと思って抱きしめてくれたり、手を繋いだりしてくれてたんじゃん。


 何だ、バカバカしい。


 私は一人でブルーな気分に入り込んだ。


 私だけ明らかに雰囲気が違うからか…


「じゃあ、木崎さん。この問題答えてちょうだい。」


 藤木先生が私に優しく言ってきた。


 そんなこと優しく言われても嬉しくないよー!!!!


 私は心の中で泣いていた。


 こんなのわかるわけないじゃん。


 そう思ったとき。


 コンコン


 いきなり黒浜が机を叩いてきたので、そっちを見ると…


[これ答え!!cosA=b2+c2−a2/2bc]


 そう書いてあったので、それを見て答えたら…


「正解。」


 藤木先生は笑顔で優しく言ってくれた。


 すごい。


「ありがとう。」


 私は黒浜に小声でお礼を言った。


 なんだかんだ言ってこうやって助けてくれるのってすごく嬉しいんだよね。


 私は心がフンワリと弾んだ。


「いいえ。」


 相変わらずの無表情。


 だけど、それがまた嬉しいんだ。


 助けてくれたということも返事をしてくれるっていうことも。


 何もかもが君だから、嬉しいんだ。


 ねぇ、君はまだ諦めがつかないでいるの?


 私は聞きたかった。


 そういうふうに引っかかってること全部ぶちまけたかった。


 でも、そうすると君が遠ざかりそうで怖いんだ。


 私、返事きけるときあるのかな?


 私は一人で落ち込んでいた。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 ずっと君の隣にいたいよ。


 ずっと君を待っていたのかもしれない。


 この学校に、私の前に、現れてくれるのを…


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 次に続く…













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