第3話 強制的にパートナー!?
何で睨みつけられてるの、私...。何かしたっけ?
泣きたいけど...泣いたらまた鬱陶しいって思われちゃうよね。
小金井くんは悶々とする私を見ながら小さく舌打ちをし、口を開いた。
「ここにお前を呼んだのは、さっさと仕事終わらせて『車掌』になるためだ」
「シャショウ?...電車の?」
「あー...間違っちゃいないけど、お前が思ってるのとは多分違う。俺がなりたいのは過去と未来を行き来する『時電車』の車掌だ」
えっ、待って...全然話についていけない。
目を白黒させていると、小金井くんは面倒臭そうにガシガシと頭をかいて怒鳴った。
「だーかーら!タイムスリップできる電車があるっつうことだよ!」
「う、うぇ!?あのっ...そんなこと急に言われても...よく分かんないんだけど」
「理解しろとは言ってないだろーが!とりあえず俺のパートナーになれ。拒否権はない命令だ四の五の言わずついてこい」
「だ、だから!意味がっ」
何なのこの人...。うぅ...神様、仏様、お母様にお父様。私何か悪いことしましたか...。
タイムスリップって...そんなことができたら。
お母さんと、お父さんに...。
「おい。聞いてんのかよ?ほんと辛気臭いやつだな」
「そ...何で小金井くんにそんなこと言われなきゃならないの!?」
思わず言い返すと、またギロっと小金井くんに睨みつけられた。うぅ...ダメだ。勝てる気がしない。
でも...なんだかわからないけど仕方ないのかな。頼み、聞いた方が...。
「その...時、電車?っていうので、私は何をすれば」
「俺の補佐だ」
「補佐...」
「車掌になるためには何段階もの試験がある。最終段階が実習...それに必要なのが指定されたパートナーだ。ここ、見てみろ」
小金井くんがブレザーの胸ポケットから小さなカードを取り出す。
『免許証』と記載されたそれの【パートナー】の欄には...。
「え、私の名前...!?」
「言っただろーが」
おかしい。絶対におかしいよ。
私...なんか変な宗教に勧誘されたりするんじゃあ...。
そう思いつつも口にできないのが私の悪いところだ。直さなきゃ、とは思ってるけど...やっぱり変われないんだよね。
こんなだからお婆ちゃんにいつも怒られるんだ...。