表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はコンビニで異世界を攻略する!!  作者: 紙屋
二章 王城籠城戦編
34/41

三十四話 王都へ

「...よく寝た」


 起き、外の空気を入れようと曇っている窓を開ける。


「少し、雨が降りそうだな」


 そう言って俺は階段を降りていった。空は曇天が広がっていた。


「新木さん、おはようございます!!」


 宿の従業員の女の人が元気に挨拶をしてくれる。


「おはようございます」


 そう言って俺は食堂にむかう。おっさんには事情を話して、特別に早めに用意して貰った。いつもと何ら変わらない朝食である。特別ではない朝食が嬉しかった。


「ごちそうさまでした」


 そう言って俺はまとめた荷物を持って歩き出す。見送りには珍しく、おっさんが来た。


「用事が終わったら帰ってこい。」


 おっさんはそう言って笑った。


「はい。わかりました。じゃあ行ってきます!!」

「おう!行ってこい」


 そう言っておっさんは俺の背中を叩く。俺はギルドに向かって歩き出した。


 ギルドの扉を開けると、冒険者の服を着ているリーナさんがいた。見るからに高価な防具だと素人目にもわかる。武器もかなり巨大な斧で俺では扱うどころか、持つことすら難しいだろう。


「新木さんおはようございます」


 俺に気づいて、リーナさんはいつもの笑顔で挨拶してくる。


「おはようございます。リーナさん」


 俺は緊張を隠すように笑って挨拶をした。


「いよいよですね」

「そうですね」


 いよいよ王都に向けて行動を開始する。しかし道程はどうなるか全く想像できない。戦時中であるため、イレギュラーはいくらでも考えられる。難民を狙う盗賊がいるかもしれない。魔物がいるかもしれない。敵国と遭遇するかも知れない。


「ご安心ください。道程はわたくし、リーナがしっかりとお守りします」


 そう言ってリーナさんは斧を軽々と振るう。振るうたびに轟々と風切音が鳴る。


「頼りにしてます」

「はい!おまかせください!!」


 そう言ってリーナさんは笑った。少しだけ気が楽になったような気がする。



 5分ほどするとカインドさん、リーシュナ商店の従者、そしてミラが来た。


「新木様、おはようございます」


 カインドさんは笑顔で挨拶する。


「カインドさん、おはようございます」

「約束通り、早馬と従者を用意しました」

「よろしくお願いします」


 そう言って従者の方は深く頭を下げた。


「こちらこそよろしくお願いします」


 自分も頭を下げる。


「それと、ミラも見送りにいきたいと言ったので、つれてきました」


 そう言ってカインドさんはミラを前に出させる。


「新木...王都に行くんだね」


 ミラは心配そうに俺を見る。


「あぁ、ちょっくら行ってくるわ」


 俺はわざとおどけたように言う。


「...絶対戻ってきてね」


 どうやら、今王都に向かうという意味を理解できているあたり、彼女は想像以上に大人になっているようだ。


「わかってる。すぐ戻ってくる」


 誤魔化さず、俺は真剣に応える。真剣な言葉には真剣に返事するべきだろう。


「約束だから」


 そう言ってミラは手を差しのべて来た。この世界における商人における握手は指切りと一緒の意味を持つ。


「それでは、これからのことを確認しましょう」


 カインドさんは時期を見計らって、そう提案してきた。

 リーナさんを護衛として一緒に行くことは、驚かれこそしたが、拒否はされず歓迎された。リーナさんの冒険者としての名は広く広まっているらしい。今の状況で腕利きの冒険者はプラスにしかならないらしい。

 最終確認が終わると、ギルドの外に出て、馬車に乗り込んだ。見送りとして、カインドさんとミラがいる。カインドさんは従者さんと握手をしている。


「では、そろそろ行きます。忘れ物などはないですか?」


 従者さんはそう言って手綱を持った。リーナさんと俺は「大丈夫です」と返事をする。


「新木様、お気をつけていってらっしゃいませ」


 そう言ってカインドさんは頭を下げた。


「何から何までありがとうございます」


 そう言って俺は頭を下げる。するとカインドさんの横からミラが出てきて、口を開いた。


「新木、またね」


 ミラはそう言って笑顔で手をふった。


「あぁ、またな」


 俺も再会を誓って、手を振り返した。

 馬車が走り出した。俺はミラが見えなくなるまで、手を振った。

 こうして、俺はクルベィード街に別れを告げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ