二十話 招待状
「新木さん!!王家からの招待状が届きました!!」
俺が、次の日ギルドの扉を開けると、リーナさんから真っ先に言われた。その表情は、困惑と焦りが滲み出ている。
「こんにちはーリーナさん。風邪は大丈夫ですか?」
「あっ、はい。早く休んで、元気になりました。ありがとうございます」
そう言ってリーナさんは頭を下げた。
「いえいえ、病み上がりなので気を付けてくださいね」
「あっはい。ってそんなことより、今朝王家からの招待状が来たんですよ!!」
「あ、はぁ...」
「またそんな反応!!新木さんは本当に変な人ですね」
リーナさんは、そう言って頬を膨らませた。
「さぁ、王家からの招待状です。私は開けないので自分で開いてください」
「あっ、はい。」
リーナさんの言うとおり封筒のなかを開く。
「...なるほど」
「どんな内容ですか?」
「いやー今日王家の方から迎えにくるから、ギルドで待っているようにという内容が長い文章で書かれています」
「え?今日ですか?」
リーナさんが顔を引きずっていている。
「まずいことなんですか、これ?」
「まずいってレベルじゃないですよー!!今からギルド長を連絡して、はやくギルドに来てもらわないと!!!」
「その必要はない」
その声が扉の方から聞こえる。振り向くと、あのマッチョな男がいた。アレンさんである。
「お久しぶりです。アレンさん」
「久しぶりだな、新木殿。」
そう言って俺とアレンさんは笑顔で挨拶した。しかし頬は少しコケているように見える。
「元気だったか?まぁ顔を見る限り大丈夫そうだが」
「この街の人々のおかげで楽しく生活できてます。アレンさんは、少しだけ疲れてますね」
「...あーわかるか?ちょっと城に帰ってからずっと働きづめだったからな...」
そう言うアレンさんは少しだけ苦い表情をしている。そりゃー姫様が殺されそうになったんだ。忙しくなるに決まっている。
「なーに、命があるからこんな悩みが生まれてくるんだ。」
そう言ってアレンさんは笑った。笑うアレンさんは渋くてカッコいい。
「あー確かにそうですね。あっそうだ紹介します。お世話になっているリーナさんです」
俺はそう言ってリーナさんを紹介する。俺がリーナさんに目をやると、リーナさんは目を大きく見開いて口を開けている。
「リーナさん、どうしました?」
「アレン...アレン ウィルドス。伝説の貴族の冒険者...ですよね?」
「おぉーそんなことを言われたこともあったなー懐かしい」
アレンさんは懐かしそうに髭を撫でる。
「ファンです!!サインください!!」
そう言ってリーナさんは自身の出勤用の鞄とペンを差し出した。
「いやーアレンさんって凄い人だったですねー」
俺は馬車内で足を伸ばしながら言う。
「なーに、今も凄い人だぞ!!」
冗談まがいにアレンさんは笑い飛ばす。そんな話をしながら、和やかな雰囲気で王都に向かう。
馬車に揺られること2日。
「新木殿、見えたぞ、王都が」
俺は馬車から顔を出す。
「...うぉぉ、すげぇ」
そこには巨大な城を中心とした、文明の核を担っている何百年の歴史をもった都が現れた。




