十八話 風邪薬とエナジードリンク無双
「リーナさん、調子はどうですか!?」
俺はミラと別れたあとリーナさんに薬と栄養ドリンクを渡しに走ってギルドの扉を開いた。
「あ...新木さん。そんなにいそいで、どうしましたか?」
そう言ってリーナさんは俺に微笑みかけた。しかしその笑顔は引きずっていて、うさ耳も垂れ下がっている。
「薬とかいろいろなもの持ってきました」
そう言って俺はビニール袋から薬と栄養ドリンクを取り出す。そして買っておいた水をコップに注ぎ差し出す。
「まずはこの薬を噛まずに飲んでください」
「は、はぁ...わかりました」
リーナさんは目をぱちくりさせたが、言うとおりに薬を水で流し込んだ。差し出した俺が言うのがなんだが、見知らぬ薬をよく飲めるな・・・
「しばらくたったら、これを飲んでください」
リーナさんが薬を飲み終わったのを確認して、俺はそう言って栄養ドリンクをコップに入れて差し出す。
「これは?」
「エナジードリンクっていう飲み物です」
「エナジードリンク...ですか。すごい色してますね」
リーナさんは困惑の表情を浮かべる。
「確かに...でも効果は確かですよ!!」
確かに着色料の概念がないこの世界でこの色は、気持ち悪いと感じるかもしれないな。
「わかりました。新木さんを信じます」
そう言ってリーナさん微笑みかけた。
五分ぐらいたってからリーナさんはエナジードリンクをおそるおそる飲み始めた。エナジードリンクを口に含ませた瞬間
リーナさんはエナジードリンクを吹き出した。
「す、すいません。こんなに甘い飲み物初めてで...」
そう言ってリーナさん布巾で机を拭く。
確かに、このエナジードリンクには人工甘味料が入っている。だから不自然な甘さを感じるのだろう。
「一気に飲んでしまいますね」
そう言ってリーナさんはエナジードリンクを一気に飲んだ。
「あとしばらくすれば、薬が効いてくると思いますよ」
そう言って、俺は自分の昼ごはんとして、ウェダーとお茶を飲む。
「あれ?不思議と体が楽になりました」
リーナさんが薬を飲んでから約三十分、ようやく薬が効き出したようだ。
「よかったー」
俺は思わず安堵の声をだす。
「これなら、いくらでも仕事できそうです!!」
そう言ってリーナさん棚からいろんな書物を取り出す。
「言っときますけど。今日までやらないといけないことが終わったら、寝てくださいね」
そう言うと、今日締め切りの仕事以外の仕事をやろうとしていたのか、うさ耳がピクッとなる。
「いや...でも今かなり体、楽ですよ?」
「この薬とエナジードリンクは元気を前借りしていると思ってください。眠気もダルさ熱っぽさも一時的になくなっているだけです。効果切れたらまた辛くなりますよ」
市販の薬は抗生物質とか入っていないから、風邪が治ることはないんだけど、辛い状態で仕事するより遥かに効率がよくなるからな。
「そうなんですか...わかりました。早く仕事終わらせて早く寝ますね」
「それがいいですよ。それじゃあ、今日は仕事せずに休みます」
「そうですね。新木さんもゆっくり休んでください」
そう言われて俺は宿に戻った。
今思えばこの世界に来てから、休暇というのをとっていなかった。
今日は休みにして、この街を探索してみようか。俺は街へ繰り出して行った。




