十七話 万年筆はカッコいい
短いですが、キリが良いので投稿します
「リーナさん、大丈夫かな?」
俺はコンビニから、この世界に帰ってきて、走ってギルドに向かっていた。すると、その道中で先日お金を盗もうとした少女と出会った。
「あ、いつぞやの...えーとミラだっけ?」
「うん、久しぶり...ってこともないか」
ミラの言うとおり、彼女と会ったのはまだ2日前だ。身なりは以前と変わっていない。
別に特別贅沢はしてないっぽいな...
「どうした?なんか困ったことがあったか?」
「いやないよ、お金があるおかげで皆がお腹を空かしていることもなくなった。ありがと」
そう言ってミラはそっけなく笑った。
「俺のあげた金貨で、なに買ったんだ?」
「文字を学ぶために本を買った。それで今は勉強中。でも難しくて苦戦中。」
ミラはそう言いながらも笑顔なのは変わらなかった。
「練習のための紙とペンはあるのか?」
「ううん。ペンは一本しかない。紙は裏紙を使って練習してる」
「そうかーじゃあ、これやるよ」
俺はそう言ってポケットにずっとしまっておいた万年筆をあげた。一万円もする高級品である。自分はこの世界の字が書けない。
使う機会はほぼないだろう。
「...こんな高そうなもの、貰えないよ」
ミラは少しだけ焦った顔をした。
「いや、これからミラは様々な人と話す機会がある。その時に万年筆は役に立つ。俺は他にも書くものがあるから大丈夫だ。」
そう言って俺は、多色ボールペンを見せた。
人と喋るときも交渉するときも、こう言った変わったものは話のネタとして役に立つ。
「じゃあ...貰うね?」
ミラは頬を少しだけ赤らめ、万年筆受け取った。
「どうやって使うかわかるか?」
「うん、ペンを使っているのは見たことあるから」
「そうか...」
「新木、私ね。勉強して商人になりたいと思っているんだけど」
ミラはそう言って少しだけ恥ずかしそうな顔をしながら俺の顔をうかがう。
「そうかー。なら、計算の勉強もしないとな」
そう言うとミラは驚いた顔をする。
「笑わないんだ」
「笑ってほしかったのか?」
俺がそう言うと、ミラ慌てて首を横にふる。
「商人なるためにはたくさん勉強しないとな...勉強頑張れよ。そろそろ行くわ」
「う、うん。わかった」
「またな」
俺はそう言って、ギルドに向けて走り出した。
「次は私たちの家に遊びに来てね!!」
ミラは少しだけ大きな声でそう言った。
「わかったー。機会があったらミラの家に遊びに行くわー」
俺は振り向いて手を降った。
明けましておめでとうございます。今年はちゃんと更新します。




