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十六話 風邪を引いたとき、仕事に役に立つものは

 カップラーメン無双?の次の日俺は手頃な依頼がないか、ギルドに行った。


「おはようございます...新木さん...」


 俺がギルドに入ると、すこしダルそうで、顔が赤いリーナさんが目に入った。


「リーナさん!?大丈夫ですか!?」

「いやーちょっと風邪を引いてしまいまして」


 リーナさんはそう言って笑った。しかし、いつものリーナさんの笑顔とは違って、少しだけ引きずった笑顔で無理していることが見てとれた。


「もしかして、説明が長引いたんですか?」

「...はい、騎士団の説明が長引いてしまって」


 リーナさんはそう言って、苦笑した。

 カップラーメンの説明を書いただけではダメだったのか...リーナさんが騎士団に説明をしたおかげで、納品することができたのだろう。


「やはりカップラーメンはよくなかったですか」

「いえいえ!!実際に食べてみたらすごく美味しいって喜んでいらっしゃいましたよ!!『またよろしく頼む』だそうです」


「はは...わかりました」

「本当に新木さんは不思...くしゅん!」


 リーナさんが苦しそうにくしゃみをする。


「リーナさん、今日は休んだ方がいいんじゃ...」

「あはは...いつもみたいに暇だったら休むんですけど、今日は夜中まで働くことになりそうです」

「そうですか...」


 俺も日本にいたときは風邪ひいても、納期の迫った時は有給なんてとれなかったな...


「うーん、リーナさん、すこし待っててください。風邪に効く物をもってきます」

「そ、そうですか?それじゃあ...よろしくお願いします」


 リーナさんは少しだけ上目遣いで微笑んだ。


「任せておいてください!!」


 そう言って、俺はギルドの外に出た。

 さて、風邪に効く物はなんだろうか。ビタミンCとかも風邪に効くっていうけど、即効性はないからな...


「こい、コンビニ」


 俺は誰もいないことを確認した後、コンビニを呼び出した。

 俺はそれを確認して、コンビニのなかに入る。


「「いらっしゃいませー」」


 やる気のない声と可愛らしい声が聞こえる。

 今回は以前からの知り合いの男と昨日知り合った女の子が店員らしい。


「さて、何を買うか」


 残念ながら自分のスキルで呼び出せるコンビニはチェーン店ではない。それ故におにぎりぐらいは売っているが、温かい野菜たっぷりチルドの料理は売っていない。


「仕方がない仕事の時はこれが1番か...」


 俺はそう言って市販の風邪薬とエナジードリンクをかごのなかに入れた。両方ともカフェインが入っていて、不思議と元気になれる物だ。

 正直これは体には良くないものなんだが...仕事の時はこれが1番助かるんだよなー。


「会計お願いします」


 俺はそう言ってレジにいた、可愛い女の子にエナジードリンクと風邪薬をレジに置いた。


「1600円となります!!」


 俺は1600円ちょうど渡して、レシートをやんわりと断り、軽く会釈する。


「あれ?風邪ですか?お大事にしてくださいね」


 商品陳列をしていた、あのやる気のない店員にまさかの励ましの言葉をもらった。


「はは...ありがとう」


 俺は曖昧な笑みを浮かべた。

 今までやる気のないって思っててごめんよ。これからは優しいやる気のない店員と呼ぶことにするよ。

 思いがけない優しさに触れた俺は、にやけた顔のままコンビニの外に出た。

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