十五話 カップラーメン無双?
「すいませーん、依頼されたものを納入しにきたのですが」
俺はカップラーメンを大量に買い込み、再びギルドに戻ってきた。
「相変わらず早いですねー。新木さん」
そう言って笑顔で迎えてくれるリーナさん。
「納品する品はこれです」
そう言って俺は大量のカップラーメンを見せた。それを見たリーナさんは不思議そうにカップラーメンを見つめる。
「...なんですか?これ。食べ物ですか?」
「そうです。カップラーメンと言います」
「かっぷらーめん?」
リーナさんがそう言うと俺はうなずく。
「まず、この蓋を半分開けます」
俺は実際にカップラーメンの蓋をあける。見たこともない食べ物を興味津々に見つめるリーナさん。
「なかには、このカップラーメンのなかに具材やスープが別袋に入っている場合もあるのですが、今回のカップラーメンは最初から入っているので、お湯を注ぐだけでOKです。リーナさん、この薄くついている線までお湯をお願いします。」
「わ、わかりました。生み出せ生命の始まり水現れろ文明の始まり火」
リーナさんは空中に小さな水の玉を生み出した。そして、その水の玉に火の玉を打ち込み、一瞬で沸騰した水の玉に変えた。
「これをこの線まで入れれば良いんですか?」
「はい、お願いします」
俺の返事を聞くと、リーナさんは慎重にカップラーメンにお湯を注いだ。
お湯の注がれるのが、線のちょっと下で終わる。
「ちょっと少ないですね」
リーナさんは、そう言ってまたお湯を作ろうとする。
「いや良いですよ。これくらいが好きな人もいますし」
そう言ってリーナさんは興味深めにカップラーメンを見つめる。
「で、これはこれで調理終わりです。3分間待ってください。これもカップラーメンの種類によって3分や4分に変わります」
3分が経った。リーナさんも待ち切れない様子だ。
「さぁー食べてみてください」
リーナさんに試食を促す。
「美味しい!!」
「そうでしょう!!」
リーナさんの笑顔を見て思わず頬が緩む。
これぞ日本の技術だと少しだけ得意気になる。
てか本当にすごいよな。こんなに美味しいものがお湯注ぐだけでできるなんて。
「あのー新木さん、お話を聞く限り、このかっぷらーめんという保存食は素晴らしいものなのでしょうが、問題があります。」
食べ終わると、リーナさん申し訳なさそうに言う。
「なんでしょう?」
リーナさんに思わぬことを言われたことに対する動揺を隠し、俺はそう言った。
「まず、調理の方法が全部のカップラーメンで違いますよね」
「は、はい。確かに...しかし、具とかが袋に入っているだけですよ?」
「それが問題です。新木さん、このかっぷらーめんという食べ物はこの国にはありません。」
「そうですね」
俺はリーナさんの発言に首肯した。
「しかも、その食べ物の器に書かれている文字は私たちの国の言葉ではありません。要するに外国の人が作った作り方不明の食べ物です。そんなもの食べたいですか?」
「い、いいえ」
「そうでしょ。だから、せめてこのかっぷらーめんという食べ物の作り方くらいは説明しないといけません。」
「わかりました。」
リーナさんに言われて、カップラーメンの作り方をこの世界の言葉で説明する説明書を作ることになった。
てか案外、カップラーメンのスープって後入れのやつ多いのね...
1種類のカップ麺ではなく、様々な種類のカップ麺を買ってきてしまったのその一種類一種類に対して説明書を書いた。俺は字を書くことができないため、リーナさんに申し訳ないと思いながらも代筆を頼んだ。俺のスキルは読む、聞く、話すには効果があるが、書くことには効果がないようだ。
リーナさんが説明書を書き終わり納品したころにはもう夕方だった。
異世界交流の難しさを知った1日だった。




