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プロローグ
昔々、あるところに
小さくて可愛い女の子がおりました。
その子はいつも赤い頭巾を被っているので
村の皆から“赤ずきんちゃん”と呼ばれていました。
月日は流れ女の子は大人になり、
村で一番のそれはそれは美しい女性になりました。
そして子供の頃に狼から助けてくれた猟師と結婚し
村の人たち皆から愛され、幸せに暮らしました。
昔々、あるところに
ずるがしこく大きい狼がおりました。
狼は人間も食べてしまうので
村の人から恐れられ、嫌われ者でした。
ある日、おばあさんと女の子を食べた後
お腹がとても重くてうまく歩けず
バランスを崩し川に落ちて死んでしまいました。
お母さん狼が死んでしまい、
子供の狼は人間をとても恨み、嫌いました。
そしてそれから何百年もたった今もなお
その時にあいた人間と狼の大きな溝が
埋まることはありませんでした。