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prologue
─どこかに、いっちゃうの
─うん、
少女は、寂しそうな顔になった。
─どうしても、なの
─うん、
少女は、顔を下に向けてしまい一段と曇った顔になった。
─わたしが、わたしがいかないで、ていってもいっちゃうの
─うん、
それから少しの間、沈黙がつづく、
─じゃあ、これ、もっていって。
─これは、なに
それは、小さなクリスタルが象徴的なペンダントだった。
─わ、わたしからのおまもり、どんなときでもはだみ離さないでね。
─うん、わかった。
そして少女は、少し落ち着きがない様に足をモジモジさせた。
─また、会える、よね
─うん、いつかはまた、会えるよ。
少女は、涙したまま笑顔で少年を見送った。
─じゃあね、〇〇〇〇〇
─えっ?
足を止め、振り返ったが、そこにはもう、彼女の姿はなかった。
あれから、10年という年を経て、少年は、少女がいる場所へ戻ってきた。