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甘く美味しい蜜の作り方

作者: たれねこ

 私は養蜂家を営んでいる。私は甘く美味しい蜜を作るために日々努力と研究を重ねた。

 そして、私はいつの間にか甘く美味しい蜜を作るための最適な行動ができるようになった。

 その甲斐あって、私の作る蜂蜜はテレビで取り上げられたりして、評価や知名度が上がり、大変好評を博すことになった。

 しかし、しばらくすると今までより蜜が採れる量が減り、作業中の不慮の事故で手が不自由になり、養蜂業自体がままならなくなった。

 さらに、親族の多額の借金まで背負い、自己破産をすることになり、最後には私の手元には何も残らなかった。  

 生きがいを失くした私はその数年後に短い人生に幕を下ろすことになった。


 その一部始終を見ていた同じ地域の同業者の一人が言った。

「成功した後の落ちぶれていく様は圧巻だったな」

 同じく同業者の別の一人はそれに一度頷いてから言った。

「あそこまで他人の落ちぶれる様を間近で見れるなんてなかなかないもんな」

「本当に『他人の不幸は蜜の味』なんてうまく言ったものだよ」

「ああ、そのうえ彼のおかげで私達の地域の養蜂は評価が上がって儲けも以前より上がったし、彼には感謝してるよ」

「私も彼には感謝してもしきれないよ。なにせ、甘い汁だけ吸わせてもらったのだから」

 そして、二人は同時に同じことを思う。


 彼の存在は史上最高に甘く美味しい蜜だった……と。

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